御茶ノ水駅周辺には、昔ながらの中華そばから濃厚な豚骨ラーメン、二郎系まで、さまざまなラーメン店が集まる。学生街として知られる一方、神保町や小川町にも近く、少し歩くだけで個性的な店に出会えるエリア。
本記事では、御茶ノ水駅から半径800mほどに絞って実際に訪れたラーメン店を紹介。スープの味わいや麺の特徴、具材などを実食し、それぞれの一杯の魅力や違いをまとめていく。
※新しい店を訪問次第、随時更新する。
醤油
麺屋 鈴春|麺屋一燈出身店主が作る鶏の旨味と醤油のキレが光る一杯

新小岩「麺屋一燈」で約8年間修業した鈴木店主が独立。本郷三丁目駅から徒歩約4分の場所にあり、名古屋コーチンを使った鶏清湯ラーメンと昆布水つけ麺を提供する。
醤油らーめんは、濃厚な鶏の旨味に醤油のキレとほのかな酸味が重なる一杯。心の味食品の中細ストレート麺は滑らかで、小麦の風味とスープがよく調和する。
脂身がとろける豚チャーシューも秀逸。飲み進めるほどに旨味が増す、奥行きのあるスープが印象的。

ラーメン大至|普通のラーメンの最高峰を追求する王道の東京醤油ラーメン

御茶ノ水にある「三ツ矢堂製麺 中目黒本店」出身店主のラーメン店。
「普通のラーメンの最高峰」を掲げ、丸鶏や豚骨に昆布、椎茸、鰹節などを合わせた昔ながらの醤油ラーメンを提供する。
ラーメンは鶏のふくよかな旨味にキレのある醤油を合わせた、実にオーソドックスな味わい。浅草開化楼の中太麺は滑らかで風味もいい。
突出した個性はないものの、店が掲げる「普通」を忠実に表現した一杯。

超多加水自家製手揉み麺 きたかた食堂|加水率56%の極太手揉み麺と力強い煮干しスープ

喜多方「麺や玄」で修業した店主が手がけるラーメン店。
北海道産小麦を使った加水率56%の自家製手揉み麺が特徴で、煮干しを中心とした中華そばや、複数の部位を選べる肉そばを提供する。
中華そば塩煮干しは、鶏油のコクと煮干しの旨味が強く効いた熱々のスープ。極太縮れ麺はツルツル、モチモチとした食感で、最後まで伸びにくい。
一方、本場の喜多方ラーメンと比べるとスープの主張が強く、麺も太め。伝統的な喜多方の味とは異なる、力強い一杯に仕上がっている。

神保町 可以|山形ケンちゃんラーメンを彷彿とさせる煮干し中華そば

高田馬場「渡なべ」の系列店で、神保町駅から徒歩約1分。

毎朝仕込む自家製手打ち麺を使い、煮干し中華そばや生姜醤油ラーメンを提供する。
煮干し中華そばは、山形「ケンちゃんラーメン」を彷彿とさせる一杯。煮干しと動物系の旨味が穏やかに重なり、じんわりとした奥行きがある。
激しく縮れた自家製麺は小麦の密度が高く、硬めの茹で加減で力強い食感。脂身を抑えたチャーシューも本家を思わせる仕上がり。

つけ麺
つけそば 神田 勝本|浅草開化楼の二種麺と煮干し香る清湯つけそば

神保町にある「銀座 八五」の姉妹店で、元フレンチ総料理長の松村康史氏が創業。

鶏や煮干し、節を重ねた清湯スープと、浅草開化楼の細麺・平打ち麺を一度に味わえる二種盛りが特徴。
清湯つけそばは、魚介と鶏の旨味にまろやかな醤油が調和し、酸味に頼らず味が引き締まった完成度の高い一杯。細麺はスープの絡みがよく、太麺は滑らかな舌触りが魅力。
ふわふわのチャーシューも味染み抜群で、締めにはすだちを搾ったスープ割りまで楽しめる。

つけめん金龍|鰹昆布水をまとった風味豊かな細麺が主役のつけ麺

小川町・淡路町エリアにある「らぁめん小池」「中華蕎麦にし乃」などの系列店。鰹昆布水に浸したつけ麺を中心に、つけ担担や白だしラーメンなどを提供する。
鰹昆布水つけ麺は、昆布のとろみをまとった中細ストレート麺が秀逸。パツッとした歯切れと小麦の風味がよく、塩だけでも十分に美味しい。
麺そのものの完成度が際立つ一杯。

つじ田 神田御茶ノ水店|濃厚豚骨魚介つけ麺の先駆者が生んだ王道の味

小川町駅近くにある「つじ田」発祥の店舗で、濃厚豚骨魚介つけ麺ブームを牽引した一軒。
豚骨と魚介を別々に炊いて合わせるWスープが特徴で、すだちや黒七味による味の変化も楽しめる。
濃厚つけ麺は、豚骨のクリーミーな旨味に鰹の香りとほのかな酸味が重なるバランスのいい一杯。
三河屋製麺の中太ストレート麺はつけ汁との絡みがよく、チャーシューもホロホロ。途中ですだちを搾れば爽やかな風味が広がり、濃厚ながら最後まで飽きずに味わえる。

二郎系
ラーメン二郎 神田神保町店|直系屈指の麺量と豪快な豚が特徴の人気店

2017年12月11日に現在の場所へ移転したラーメン二郎直系店。
直系の中でも特に麺量が多く、小ラーメンでも約350g。神保町店で修業した店主が京都店を開業するなど、二郎の系譜でも重要な一軒。
スープは日によって乳化具合が異なり、2024年の訪問時は乳化した豚の旨味に醤油のキレと化学調味料の強烈なパンチが重なる味わい。平打ち太麺は柔らかめで、豚は箸で崩れるほどホロホロ。
圧倒的なボリュームと長い行列も含め、相応の覚悟が必要な二郎。

用心棒|千里眼の姉妹店が手がける濃厚乳化スープと極太麺

神保町駅から徒歩約2分、「千里眼」や「鷹の目」の姉妹店として知られる二郎インスパイア。

濃厚な豚骨醤油スープに極太麺を合わせ、ショウガや辛玉、ガリマヨなど多彩な無料トッピングも特徴。
ラーメンは豚の旨味が濃厚な乳化スープながら、醤油が尖りすぎずバランスがいい。
浅草開化楼の平打ち縮れ麺はゴワゴワとした密度の高い食感で、スープにも負けない存在感。特に豚は脂身がトロトロで、赤身とのバランスも秀逸。神保町二郎ほど量が多すぎず、食べやすさも魅力。

家系ラーメン
秋葉原ラーメン わいず|直系への敬意と独自の濃厚豚骨醤油を追求する家系ラーメン

2015年2月2日オープン。神田の人気店「神田ラーメン わいず」の2号店で、末広町駅近くに店を構える。

店名は修業先の「ラーメンショップY’s」に由来。濃厚な豚骨醤油ラーメンを中心に、秋葉原店限定の豚そばやまぜそばも提供する。
のり玉ラーメンは、粘度の高い濃厚スープに動物系の旨味と醤油の力強さが重なる一杯。
三河屋製麺と共同開発した中太縮れ麺は、スープをしっかり持ち上げる独特の食感。燻製チャーシューの香りもよく、家系直系への敬意を感じさせながら、独自の個性を確立している。

横浜家系ラーメン 麺家 福増|武蔵家・武道家出身店主が作る濃厚クリーミー豚骨醤油

神保町駅A4出口の目の前にある、武蔵家・武道家出身店主が手がける家系ラーメン店。濃厚な豚骨醤油ラーメンを提供し、ライス無料・おかわり自由のサービスも特徴。
ラーメンは、とろみのあるクリーミーな豚骨スープに醤油のキレとほのかな酸味が重なる味わい。
三河屋製麺の中太ストレート麺はツルモチ食感で、一般的な家系とは異なる個性がある。大ぶりのチャーシューも柔らかく美味しいが、スープの温度がややぬるかった点は惜しい。

その他
塩生姜らー麺専門店 MANNISH 淡路町本店|生姜の香りと鶏の旨味が際立つ塩ラーメン

2019年2月1日、内神田から移転オープン。淡路町にある塩生姜らー麺の専門店。
鶏・葱・水から取った澄んだスープに粗挽き生姜を合わせ、生姜を薬味ではなく味の主役に据えた独自の一杯を提供する。
塩生姜らー麺は、程よい塩気の清湯スープに生姜の爽やかな香りが力強く広がる。
三河屋製麺のストレート麺は滑らかで、プリッとジューシーな鶏チャーシューも好印象。丼の底に沈んだ生姜を絡めれば風味がさらに増し、卓上の生姜酢で味の変化も楽しめる。

覆麺 智|一条流がんこの流れを汲む個性派ラーメン

御茶ノ水から神保町方面へ足を延ばした場所にある「覆麺 智」。2008年創業で、店主の及川智氏は「一条流がんこラーメン総本家」で修業を積んだ人物。
動物系や魚介系の出汁を凝縮し、強い塩気を効かせた独特のラーメンで知られる。
実食したのは、北海道産蝦夷鹿を出汁に使った限定の塩ラーメン。鹿特有の香りは控えめで、塩気の奥からじんわりと動物系の旨味が広がる。
歯切れのいいストレート麺に、脂の甘みが際立つしっとりとしたチャーシューも印象的。
オマール海老や牡蠣、ジビエなど、曜日ごとに異なる食材をラーメンへと昇華させる、店主の探究心が光る一軒。

らーめん平太周 神保町店|大量の背脂と濃厚豚骨醤油が特徴の背脂チャッチャ系

神保町駅近くにある背脂チャッチャ系ラーメン店。東京の背脂豚骨醤油ラーメンの流れを汲み、丼を覆うほどの背脂と濃厚な豚骨醤油スープが特徴。
ラーメンのほか、汁なしの「爆盛油脂麺」も人気メニュー。
スープは大量の背脂による甘みとコクがありながら、醤油のキレも感じられる味わい。
中太縮れ麺は歯ごたえがあり、濃厚なスープとの絡みも良好。爆盛油脂麺は甘辛いタレと背脂を絡めて味わう一杯で、卓上調味料による味の変化も楽しめる。
汁なし担担麺 ピリリ 秋葉原店|花椒の痺れと胡麻のコクが際立つ本格四川担担麺

末広町駅近くにある汁なし担担麺の専門店。四川料理の香辛料を使い、花椒の爽やかな痺れと胡麻の濃厚なコクを組み合わせた担担麺を提供する。
白胡麻・黒胡麻のタレを選べるほか、くるみ担担麺や四川汁なし麻婆麺なども揃う。
汁なし担担麺は、花椒の華やかな香りと刺激的な痺れが特徴。白胡麻はまろやかで濃厚なコク、黒胡麻は力強い香ばしさが際立つ。モチモチの中太麺に肉味噌やタレがしっかり絡み、卓上のブレンド酢で後味を引き締めることもできる。
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