淡路町は小川町や神田、御茶ノ水にも近く、徒歩圏内に多くの飲食店が集まるエリア。オフィス街という土地柄から昼時の需要も高く、駅周辺では昔ながらの一杯から個性を打ち出した専門店まで、さまざまなラーメンを楽しめる。
本記事では、淡路町駅半径800mに絞って実際に訪れたラーメン店を紹介。各店のスープや麺、具材などの特徴と、実食で感じた味わいをまとめている。
※新しい店を訪問次第、随時更新する。
醤油ラーメン
麺処 ほん田 秋葉原本店|重層的な旨味を描く醤油ラーメン

「麺処 ほん田 秋葉原本店」は、2008年に東十条で創業し、2020年に秋葉原へ移転した本田裕樹氏のラーメン店。
自家製麺や火入れを緻密に調整したチャーシューまで隙なく作り込み、淡麗系の枠に収まらない厚みのある一杯を生み出している。
醤油は煮干しなどの魚介から始まり、動物系の濃厚な旨味、さらに貝出汁の余韻まで重なりながら、重さを残さず収束していく。
滑らかでもっちりした中細麺との一体感も高く、3種のチャーシューまで旨味が明確。複数の出汁を使いながら、それぞれを埋もれさせない構成力が際立つ。

超多加水自家製手揉み麺 きたかた食堂|超多加水麺が主役の喜多方系

神保町の「超多加水自家製手揉み麺 きたかた食堂」は、喜多方「麺や玄」で修業した店主が手がけるラーメン店。
北海道産小麦を使った加水率56%の自家製手揉み麺が最大の特徴で、茹でる直前に手揉みを加え、強い縮れとモチモチした弾力を生み出している。
中華そば塩煮干しは鶏油を効かせた熱々の清湯に煮干しがしっかり主張し、一般的な喜多方ラーメンの穏やかな印象よりも味は強め。
太い縮れ麺は滑らかな舌触りと強い弾力があり、時間が経っても伸びにくい。
一方で、喜多方らしい軽やかさを期待するとやや方向性は異なり、むしろ超多加水麺の存在感を前面に出した独自色の強い一杯。

らぁめん ふるいち|ほりうち譲りの平打ち麺とざる

神田の「らぁめん ふるいち」は、新宿「らぁめん ほりうち」を創業した堀内氏の味を受け継ぎ、2025年に独立開業した満来・ほりうち系譜のラーメン店。

鶏ガラや豚骨を使った清湯スープに、つるつると喉越しのいい平打ち多加水麺を合わせる。
ざるは、ほりうちと比べて鶏油や醤油、塩気が穏やかで、全体的にややおとなしい味わい。
麺の滑らかな舌触りと喉越しには系譜らしさを感じる一方、チャーシューは硬さがあり、満来やほりうちのホロホロと崩れる柔らかさには及ばない。本家の骨格を受け継ぎながらより軽い方向へ振った一杯となっている。

つけ麺
つけそば 神田 勝本|二種麺で味わう清湯つけそば

神保町の「つけそば 神田 勝本」は、元フレンチ総料理長の松村康史氏が2016年に創業したつけ麺店。
「銀座 八五」の姉妹店でもあり、煮干しや節、鶏の旨味を重ねた清湯スープと、浅草開化楼の二種麺を合わせる独自のつけそばで知られる。

清湯つけそばは、魚介と鶏の風味を感じるつけ汁に醤油の丸みがあり、酢に頼らず最後までダレないバランスが秀逸。
細麺はつけ汁をよく拾い平打ちの太麺は滑らかな舌触りと強い存在感を見せる。二種を混ぜるよりそれぞれの違いを食べ比べるほうが面白く大ぶりで柔らかなチャーシューまで完成度の高い一杯。

つけめん金龍|麺の完成度が光る昆布水つけ麺

小川町・淡路町エリアの「つけめん金龍」は、「らぁめん小池」「中華蕎麦にし乃」などを展開する系列のつけ麺専門店。

鰹昆布水に浸した中細麺が主役で、ほどよいトロみをまとった麺はパツッと歯切れよく、小麦の風味も豊か。塩だけでも十分に成立するほど、麺そのものの完成度が高い。
一方、魚介と鶏清湯を合わせたつけ汁はやや弱く、麺をつけたことで旨味が大きく膨らむ感覚は薄いが麺単体の魅力は明確。つけ汁よりもむしろ鰹昆布水をまとった麺の旨さが印象に残る一杯。

つじ田 神田御茶ノ水店|豚骨魚介つけ麺を広めた一杯

小川町・淡路町エリアの「つじ田 神田御茶ノ水店」は、2005年創業の「つじ田」発祥店。
豚骨と魚介を別々に炊いて合わせるWスープを軸に、現在では定番となった濃厚豚骨魚介つけ麺の広がりを支えた存在でもある。
濃厚つけ麺は、クリーミーな動物系のコクに鰹の香りとほのかな酸味が重なり、濃厚ながら粘度や塩気は過剰にならない。
もっちりした中太麺とのバランスもよく、途中ですだちを搾れば爽やかさが加わり、味の輪郭も一変する。突出した驚きよりも改めてバランスの良さを実感できる完成度の高いつけ麺。

家系ラーメン
神田ラーメン わいず|直系を思わせる濃厚醤油豚骨

神田駅近くの「神田ラーメン わいず」は、2000年創業の家系ラーメン店。
直系への敬意を感じさせながら、濃厚に炊いた豚骨と鶏ガラ、キレのある醤油、三河屋製麺との共同開発麺で独自の家系を築いている。
スープは乳化度が高くねっとり濃厚で、動物系の旨味と醤油の塩気が強烈。それでいてカエシに尖りすぎた角はなく、思わず飲み進めたくなるバランスがある。
滑らかで力強い特製麺に加え、国産赤身肉のチャーシューから抜ける燻香も印象的。直系の要素を踏まえながら、単なる模倣では終わらない完成度を見せる。

二代目 らーめん 谷瀬家|丸みのある濃厚豚骨醤油

神田駅近くの「二代目 らーめん 谷瀬家」は、新橋「らーめん 谷瀬家」の2号店で、新中野武蔵家の流れを汲む家系ラーメン店。
豚骨醤油に鶏油を重ね、酒井製麺を合わせる王道の構成ながら、朝7時から営業する朝ラーやライス食べ放題など使い勝手の良さも特徴。
スープはトロミがありながら、カエシや塩分を強く押し出さず、動物系のふくよかな旨味を前面に出したまろやかな仕上がり。
重厚に見えて後味は意外に軽く、酒井製麺の短めの麺も食べやすい。柔らかなチャーシューや食感を残した青菜まで含め、濃厚さと軽さのバランスがよく取れている。

二郎系ラーメン
ラーメン二郎 神田神保町店|圧倒的な麺量と濃厚スープ

神保町の「ラーメン二郎 神田神保町店」は、2004年創業の直系二郎。
小ラーメンでも麺量が多く、数ある直系の中でも圧倒的なボリュームで知られる。
豚を軸にした動物系スープは乳化する日もあれば非乳化寄りの日もあり、訪れるたびに表情が変わるのもこの店らしい。
近年の一杯は、乳化したスープにキレのあるカエシと強い化調感が重なり、見た目以上にパンチのある味わい。
平打ち太麺は柔らかめで、量もかなり多い。豚は柔らかく存在感がある一方、味のブレや塩気の強さまで含めて二郎らしさが濃く出る。軽い気持ちでは挑みにくいが、それも含めて神保町店の個性。

旨辛系ラーメン
カラシビ味噌らー麺 鬼金棒 神田本店|辛さと痺れを重ねる濃厚味噌

神田の「カラシビ味噌らー麺 鬼金棒 神田本店」は、唐辛子の辛さと山椒の痺れを組み合わせた「カラシビ」を打ち出す味噌ラーメン専門店。
豚骨や鶏ガラ、魚介の厚い出汁に味噌とスパイスを重ね、辛さだけではない土台の強さがある。
カラシビ味噌らー麺は、赤い唐辛子油と黒い山椒油が濃厚な味噌スープに溶け込み、辛味と痺れが段階的に広がる。
もっちりした麺はスープをよく拾い、甘辛く煮込まれた角煮も存在感十分。中本とも紅とも違う方向性の旨辛ラーメン。

郭 政良 味仙 東京神田西口店|ニンニクと唐辛子が主役の台湾ラーメン

神田駅西口すぐの「郭 政良 味仙 東京神田西口店」は、名古屋「味仙」の系譜を受け継ぐ台湾料理店。
台湾ラーメンは、鶏ガラスープを土台に、台湾ミンチ、ニンニク、唐辛子を強烈に効かせた刺激的な一杯で、東京でも名古屋の味仙らしい方向性をしっかり感じられる。
スープはオイリーながら鶏ガラベースのため重さは残りにくく、ニンニクと唐辛子の刺激が前面に押し寄せる。
辛さ以上に翌日まで残るニンニクの存在感が強烈で、上品さとは無縁のジャンクな中毒性が魅力。台湾ミンチを麺に絡めながら、むせるほどの刺激ごと勢いよく食べたいラーメン。

個性派ラーメン
塩生姜らー麺専門店 MANNISH 淡路町本店|生姜を主役に据えた塩ラーメン

淡路町の「塩生姜らー麺専門店 MANNISH 淡路町本店」は、塩生姜らー麺という独自のスタイルを打ち出した専門店。
鶏・葱・水で引く澄んだスープに塩ダレと粗挽き生姜を重ね、生姜を薬味ではなく味の軸として成立させている。
塩生姜らー麺は、ほどよい塩気の清湯に生姜の香りが力強く広がりながら、刺激だけに寄らない品のある仕上がり。
三河屋製麺の中太麺ともよく馴染み、丼の底にたまる生姜や卓上の生姜酢で後半に変化もつく。味玉の冷たさはやや気になったものの、シンプルに見えて細部までよく考えられた一杯。

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