小日向さんが光った(頭じゃなく)映画
以下、完全ネタバレ
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もしもシリーズ
要は「もしも世界中で突然電気か使えなくなったら」というもしもシリーズ。
一つの家族を軸にしたサバイバルコメディ。
どうせならコメディタッチにしないで大真面目にエグくやればいいのにと思ったがラストの小日向さんが助かるというご都合主義的な展開もコメディタッチなら仕方ないかとなんだか納得してしまった。
すぐに大声出してキレる小日向さん、天然の深津絵里、童貞臭満載の長男、文句ばっかの次女。
もうしょっぱなからこの家族をみてるとなんだかイラついてくる。
森田芳光監督の「家族ゲーム」の家族を観ている感覚に似ている。
ここに事件が起きて家族の心情が変わってくるというお決まりのプロット。
ある日目を覚ますと一切の電気が使えない状況に。街からはどんどん食料や水が消えていく。
一週間経っても状況は変わらずついに小日向さんは鹿児島の親の元へ一家でチャリンコで向かう決心をする。
おそらく街がそのような状態になれば暴動、暴力なんかが蔓延るんだろうけどこの映画ではその辺はあまり描いていない。
なるべく重くならずに色んな人にみてもらえるように配慮されてなのかな?
あと政府は何をしてるのか?完全に無政府状態なんだけど。
その道中で様々な出来事や出会いなんかがあって家族がだんだんと変わっていく。
ただのヒューマンに留まらず、サバイバルでどう生き抜くかの知恵やヒントなんかもふんだんに盛り込まれており多々関心するシーンも。
あざとい演出
伏線回収はしっかりされているけど少しあざとい。
冒頭の深津絵里が魚を捌けないシーンなんかはラストには捌けるようになる布石だろうし、スマホや付けまつ毛、カツラの寄りのシーンもなんとなく「本来はそんなもの必要ないでしょ?」という監督のおつしけがましさがなんだか鼻についてしまった。
飲み水がなくて小日向さんが家族の前で得意げに川の水を飲むシーンも「ほら、こんなに綺麗じゃないか」って完全に後で腹を壊す布石じゃないか。案の定そのあと腹を壊すシーンが出てくる。
言いたい事はわかるし子供なんかにはわかりやすいんだろうけど正直ダルいシーンの連続。
突っ込みどこが多い
川で行き止まりなのにわざわざ危険を冒してまで進もうとする小日向さんの判断はいかがなものか?
結果自身が川に流される始末。
娘もせっかくあんだけ苦労して豚の燻製を作ったのにずいぶんあっさり犬にあげちゃうんだ。
と思ったらその後腹をすかせた犬に深津絵里が襲われ坂から落ちて足が曲がってしまったり。
もう何なんだよ。
蒸気機関車もなぜあんなにすぐに止まれる?
突っ込み映画かと思うくらい突っ込みどころが多い。
なんとか一家は鹿児島に到着し家族はそこで祖父たちと生活することに。
その2年半後に突然電気が復旧する。
世界的に電気が使えなかったこの現象は太陽フレアの可能性があるが結局は「原因不明」とのこと。
もうなんなんだよ。
けどあくまでこういう事態になったら…という体の映画なのでそこを突いても仕方ないか。
アメリカ映画の「ブラインドネス」だってなぜ世界中の人が突然目が見えなくなったのかの説明とかなかったし。
まとめ
不満ばかり言ったが限られた予算の中で頑張ったと思うし実際に高速道路を使った撮影はお見事。
感心したのが冒頭の黒板を写メるシーン。今時の子たちって黒板は写メで撮るのが常識なのかな?ノートに書くってことはしないのか…カルチャーショック。
あとは途中家族全員でご飯を食べるシーンなんかはリアルで本当に美味しそうに思えたし小日向さんが風呂に入るシーンも気持ちいいのが伝わってきた。
かなり身体を張った撮影だっただろうし映画の意図は明確なのでわかりやすさはある。
さすがにライフライン全て使えないということはないだろうが考えるきっかけにはなると思うのでこの映画の価値はそこにあると思う。
家族で観るにはいいのかも。
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