【映画】レクイエム・フォー・ドリーム「ネタバレ感想」トラウマ級の地獄!ドラッグ映画の傑作!

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映画・DVD・Blu-ray

2000年/アメリカ映画/102分

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コニー・アイランドの寂れた海岸。
古びた煉瓦アパートに暮らす、孤独な未亡人サラ・ゴールドファーブと1人息子ハリー。

心優しいハリーだが、定職にもつかず、いつも恋人や友達の家に入り浸りブラブラしている。
家に閉じこもってチョコレートを頬張りながらTVを観るのが何よりも好きな母のもとに、ある日1本の電話がかかってくる。

それは、ごひいきのテレビ番組への出演依頼だった!
夢中になったサラはハリーの卒業式に家族3人で写した写真を見る。

そこには息子と共に赤いワンピースを着た若き日の綺麗な自分がいた…。

母は晴れのTV出演の為にもう1度赤いドレスを着ようとダイエットを決意する。
一方、ハリーと彼の新しい恋人マリオンは孤独と苦悩の日々が相手によって救われることを期待しつつ、少しずつ互いの心を開き始めていた。

2人の愛は、現実世界からイヤなことをシャットアウトした人工的な逃げ場として燃え上がり、マリオンの家の床で静かに横たわりながら将来の幸福という大きな夢を語ることに費やされる。
そんな2人に友人タイロンが耳よりな話を持ってくる。

麻薬の売人をやり、荒稼ぎをしようというのだ…。


 

監督は「π」や「ブラック・スワン」などで知られるダーレン・アロノフスキー。

この監督さん、好きなんですよね。

とことん救いのない感じやリアリズムを追求した描写が容赦なくて。

「π」で注目され、ナタリー・ポートマンが主演した「ブラック・スワン」が大ヒットしたけどその成功に甘んじることなく「マザー!」みたいな観る者ほぼすべての人を置いていく様なカオスな作品なんかも作ったりしてなかなかのロックな人。

本作は薬物中毒者が肉体的にも精神的にも破滅するまでを実験的な映像で描いている。

ダーレン監督(長いので略す)作品ってどれもキワモノというかインパクトあるものばかりなんだけど初期の作品の中でも特にこの映画は壮絶。

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この映画のことを「モンスターの出ないサイコスリラー」と語った人がいるほど精神的に追い詰められる感じの描写エゲツない。

いまみると少し演出に古臭さも感じるけどやたらと短いカット割り、極端な身体の部位のアップ、薬物が体内に注入される細やかな描写、BGMなどの煽り要素がてんこ盛り。

カット割りに関して言えば普通の映画の何倍なんだ?って数でサブリミナル的な映像が物凄いスピードで脳裏に焼き付けられる。

20年前にこれやってる監督さんって、知らないです。

特に後半戦にかけて登場人物たちが不幸に落ちていく様は圧倒的。

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それもただドラッグによって身を滅ぼされるだけでなく追い詰められる人間の性に焦点を当て、複数の男たちの前で公開ディルドまでさせられるヒロインなんかは観てて結構落ちる。

かと思えば炎症起こして紫色に変色している傷口にさらに注射針ブッさそうとする肉体的な痛々しさも表現されておりふんだんにドラッグの恐ろしさを伝えることに成功している。


 

構成としてはとあるシングルマザーの親子と息子の友人、息子の彼女のそれぞれの視点で描いており全員が薬中となる。

特に息子、友人、彼女は自業自得な気がするけど母親に関しては医者から騙されてドラッグ中毒になるという少し可哀想なもの。

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「あなたの身近にもドラッグはあります」というメッセージはわかるが落ちていく様があまりにも衝撃的で救いがない。

この人はただテレビに出たかっただけなのにね…

この母親役の方、この映画の為にかなり痩せたんだな。

明らかに最初と最後では体型変わっててドラッグの影響で痩せていった感じがリアルに出てた。

公開ディルドさせられるジェニファー・コネリーの女優魂にも感動した。

この人「ビューティフル・マインド」のヒロインなんだ。

綺麗な人だから印象に残ってた。

とにかくこれを観れば絶対にドラッグなんてやりたくないと強く思うことでしょう。

そういう意味でも意義のある作品だと思うし間違いなくダーレン監督初期作品の傑作だと思う。

ただしこのテイストが好きか嫌いかはハッキリ分かれそうだ。

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