映画「護られなかった者たち」。
震災のシーンでスタートからどんより。
そしてだいぶスローテンポ。
そうか、これはちょいと覚悟して観ないとな。
はい、以下はネタバレ。
震災をきっかけに日本の貧困問題をテーマにした話で阿部寛や佐藤健らが熱演。
餓死による殺人事件が発生し、どう考えても怪しさMAXな佐藤健が犯人だと誰もが思うだろう。
だが徐々に物語が進行するにつれて佐藤健の犯人説に違和感が出てくる。
え、犯人？どうやらいい奴っぽいけど…そのバランスが秀逸でした。
あえて言うなら犯人の動機にやや違和感がある。演出上、役所の人間を悪者にしてるのもね…
そうそう、事件の発端は倍賞美津子が「縁を切ってる実の娘に生活保護を知られなくないから」と言って生活保護を取り下げたこと。
これなんで親族に知られるんだろう？と思って調べたら「扶養照会」って制度があるんですね。
要は生活保護を申請する際に親族の方で申請者を扶養することができないかどうかの通知のことで、以前は原則として必ず行われるものだったらしいけど、今じゃそこまでやる必要はないってなってますね。
しかもほぼ縁を切ってる状態であればその扶養照会は断ることができたようです。まぁ、面倒だったから永山瑛太らそういう知恵はあえて教えなかったんだろうなぁと想像してみる。
あと強いて言えば、倍賞美津子から散髪をしてもらうシーンでの会話から関係性が深まってるのはわかるんだけど、せっかくならもうちょい家族として触れ合うシーンがいくつかあったほうが感情移入できたかな。原作ではもっと深堀して描いてるのかな？
しかし佐藤健はどの映画観ても佐藤健だよね。被災してもバキバキ眉毛整いすぎだしリアリティがない。
と色々言ったけど社会派ドラマあり、人間ドラマもあり、ミステリー要素もあり、どっしりと骨太な作品で珍しく見応えある映画でした。
原作⬇️
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