3回目の鮨 おばな。
群馬県館林までの移動がネックだったが今回は鮨博士が車を出してくださるという事でそれにがっつり甘える形になった。
銀座から約一時間程で到着。
17時少し前に入店。
店内は感染対策のため目の前、横の客同士とそれぞれアクリル板を設置。
久々の大将もアクリル板越しとなんだか寂しい気持ちもあるが仕方がない。
この日は何と言っても特別に岩手県大船渡の定置網と静岡県下田の延縄の鮪7貫食べ比べだろう。
それに加えもう終わりかと思っていたおばなさんのイクラを頂けて感無量。
以外、いただいた料理。
白魚
サイズが大きくシャキっとした歯応えにほんのりビターさが春っぽさを感じさせる。
黒鯛
村広一さんの産直。
綺麗な飴色。しっとりとして柔らかくフワッと綺麗な香り。
鮑
鮑同士で味付けをした驚くほど味の濃い鮑。
鰆の叩き
身はもっちりと旨味強く、藁のスモーキーな香りが相乗効果となる。
雲丹パフェ
シャリで和えたシャリ飯の上に雲丹を乗せた定番の雲丹パフェ。
こんなにわかりやすい直球の甘さも久々だ。
本日は北方四島。
甘さ、コクとシャリの酸との対比が見事。
蛸
ここにきてのこの蛸ですよ。
どこ産なのかは言えないがこんなにも味が濃く、香る蛸を食べたことがない。
多分このお店じゃないと食べられない蛸だと思う。
鮑の肝
醤油で煮た鮑の肝。
子持ちのヤリイカ。
卵が濃厚。
鮟肝
余市のあん肝をポン酢に4、5日漬けたもの。
余市ならではの綺麗な滑らかさ、コク、そしてポン酢の酸味もしっかりと。
ネギトロ巻き
シャリ小。口の中で溶けまくるジュースの様。
ここで海苔が非常にいい香りの役割を果たす。
茶碗鮨
このわたの上にシャリ、その上に玉子の地、上には野菜のあられ。
ツルっとした食感とザクっとした食感の掛け合わせ。このわたの塩味も絶妙。
山葵の茎と葉
お店で漬けたもの。 鼻にくる辛さ。
牡蠣
出汁と青海苔も美味いんだけど柚子胡椒の辛さが凄くいいアクセント。
アスパラ菜と苺の漬物
どちらも館林産。
苺は鰹、昆布、蜂蜜、トリュフ塩で漬けていて食べたことない独特な味わい。
ガリ
白甘鯛
ずばり香り。一貫目からなかなか強烈です。
しっかり目に握られたシャリとの調和も見事。
鰤
香り+脂のW攻め。
脂がのったネタによくありがちな「残る」ものとは異なりスッと綺麗に流れていく感覚。
平貝
色が黒っぽくて他で食べる平貝よりも味がある。
小肌
皮も柔らかい。
そしてここから特別に鮪7貫。
大船渡の定置網、下田の延縄。
一貫一貫の感想は長くなるので割愛するが、真冬の鮪から季節の変わり目にある春の入口を感じさせる鮪の食べ比べだった。
特に脂の旨味の冬から、香りと酸の春に変わりゆく中で、下田と三陸のこの季節の組合せの鮪を定置の扱いを熟知されている尾花大将の鮨で味わえた事に幸福を感じざるを得ない。
赤身 大船渡 定置網
赤身 下田 延縄
中トロ 大船渡 定置網
中トロ 下田 延縄
大トロ 大船渡 定置網
大トロ 下田 延縄
背中の剥がし
墨烏賊
あんだけ鮪食べた後なのに旨味の存在感がしっかりと。
サヨリ
淡白になりがちなサヨリだけど味が濃いです。身質もしっとりとしている。
特に鮪の後なのにちゃんとその存在感を発揮している。
鰆の漬け
漬けによる脱水、後に残るのは強烈な甘みと香り。
赤貝
閖上。パーっと瓜系の爽やかな香りが広がる。
しめ鯖
二時間ほど酢で〆てるのに鯖のもつ力や脂が強く、海苔も相乗効果に。
蛤
カイワレ大根
野菜が入ると口直しに。ちなみに館林産ではない。
海老丼
十何年継ぎ足しの海老のタレで漬けたもの。
数百匹分の海老なんだとか。
とにかく香り、強烈です。
一番の雲丹
雲丹
いくら
まさにこれぞ宝石箱。時期的に最後。
ドロっとしてコクがあり旨味あり。後味はいくらにあらず。言語化不可能。相変わらず唯一無二。
穴子
脂ガッツリ。ただ柔らかいだけでなく香りもある。
玉子焼き
芝海老の玉子焼き。
味噌汁
魚の出汁の分厚さを感じる。
貴醸酒モナカアイス
女将さんの手作り。
なんと甘みの絶妙なことか。
甘さは一瞬。その儚さとモナカの香りが相まってなんとも言えない余韻となる。
本日いただいたお酒
お会計はなんと約39,000円。あの鮪7貫にこの金額は出血大サービスしすぎです…
つまみの時点でクオリティが半端じゃないのにさらにそれを超える握りの完成度。
村公一さんの鯛、澤井さんスペシャル、◯◯産の蛸、鮪7貫食べ比べ、尾花さん珠玉のいくらなど今回はまるでベストアルバムの様な集大成的な回だった。
いやはや、恐ろしい鮨屋である。
遠いのだけが辛い…また来ます。ごちそうさまでした!
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