今宵は3回目の「笠井」へ。
代官山の予約困難なイタリアンレストラン「TACUBO」から独立した笠井シェフによるお店。
場所は都立大学駅より徒歩12分。
この日はたまたまTACUBOから助っ人が一名おり、いつもに比べて流れはかなりスムーズ。
結論から言えば、絶対人入れた方がいいです。
なんせ毎回ワンオペなので料理提供に時間がかかり最後は量的にしんどくなるけど今回は最後までいいテンポで気持ちよくいただけた。
シェフ:笠井篤さん
品川「アロマクラシコ」で研鑽を積み、イタリアに渡りヴェローナ、ミラノで腕を磨く。帰国後に代官山「TACUBO」に入店し、1年半後に独立。
料理に関しては相変わらず味付け、塩味、酸味、スパイスの使い方までバランス感覚抜群です。
笠井シェフの「普通ですって!」の謙遜もお決まり笑
今日みたいに人を入れてオペレーションが上手くいけばいう事なしの名店。
以下、いただいた料理。
自家製ブリオッシュ
毎回一発目に出てくるシグニチャー。
サクッと軽やかな食感に甘みのあるブリオッシュ、ふくよかで蕩けるバター、スライスした生ハムの塩っ気、全てが絶妙なバランス。
腹が減ってる一発目に食べさせる事でハートを鷲掴みにするとんでもないトップバッター。
トマトのガスパチョ
スペイン発の冷製スープ。
スッキリとした酸味のトマトスープにアンチョビとニンニクで香ばしく揚げ焼きしたパン粉のサクサク感、少しもちっとブラッターチーズとありとあらゆる要素を多角的に口内刺激してくれ、尚且つバランスが秀逸。
馬肉のタルタル
高知県の馬肉のタルタル。
キャビアはなかなかの量だが馬肉と絡めて食べれば塩味が計算されていることがわかる。
馬肉、キャビア、玉葱、揚げ玉葱と様々な食感が口中で渾然一体となる。
フォカッチャ
火傷注意の焼き立てフォッカチャ。
ファンネルの風味が爽やかなアクセント。
パン系も抜群に旨い。
茶碗蒸し
高知県釜揚げしらすの洋風茶碗蒸し。しらすの舌には山菜のうるい。
玉子の味は濃く仄かな山椒が絶妙なアクセント。
花ズッキーニのフリット
中にアンチョビとモッツァレラチーズが詰まっている。
クリーミーなソースにサクッとしたフリット、生ハムと綺麗な食感の散らせ方。
アオリイカとカラスミの冷製カッペリーニ
唐津のアオリイカと自家製カラスミの冷製カッペリーニ。
しっとりとして潤いのあるカラスミにアオリイカの甘味。
この乾燥したカラスミとのコントラストもいい。シンプルだけど実にいい。
白トリュフの自家製タリオリーニ
フランスのサマートリュフを使った自家製タリオリーニ。
たまにはこういうのやらないと取り残されちゃうからという事で唯一の映えっぽいけど、相変わらずめちゃシンプル。
塩加減も絶妙でこの潔さにドキッとさせられる。
「大したもん使ってないですよ!使ってるの水と塩とチーズだけですって!」って謙遜が全然謙遜になっていない。逆にそれだけでこんなに旨いって凄すぎる。
仔羊
フランス産の仔羊。部位は腰の部分の「セル」。
香りの抜け感素晴らしい。こんなに香るんですね。
そしてこれまた火傷注意の熱水を含んだズッキーニが素晴らしいチェイサーとなっている。
ミルクのアイスクリーム
ここにシロップの様なカカオのリキュールを入れてくれる。アルコールとグッと味わいが増す。
ペアリングコース20,000円にビールでお会計約21,000円。
笠井シェフの料理には映え要素はほぼない。
素材の持つ旨味をこれまで培ってきた技でストレートに表現してあげる。
おそろしくシンプルでいて驚くほど巧妙。
笠井シェフの「普通ですよ」は、全然「普通じゃない」。
また来ます。ごちそうさまでした
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