【銀座】佐たけ: 鮨界の常識をぶち壊す熱シャリ!名手による温度変化とネタの調和を楽しむ唯一無二の握り!(138軒目)

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本日は2021年5月に移転しオープンした「佐たけ」へ。

場所は築地市場駅より徒歩5分ほど。

以前の「すし佐竹」時代と場所はほぼ変わらないがオーナーが変わったという事でそれに伴い屋号も変更。

しかし来てみるとずいぶん立派な店構えだ。

知らない人からするとここが何の店なのかわからないだろうな。

ドアをあけると待合スペースがあり時間まで待たせてもらう。

予約の20時少し前にようやくカウンター席へ案内。

ほかに個室カウンターもありそこでは2番手の方が握られているようだ。

樹齢約250年の吉野ヒノキの一枚岩カウンター。みてわかる通り余計なものがない洗練された空間。人工物はなるべく排除したという。

個室は2番手が握る。

 

大将: 佐竹大(たけし)さん

久兵衛出身。

人肌の温度が理想とされている鮨の世界であえて高めの温度帯のシャリを出す。

ネットや噂ではやたらと「高温」が一人歩きしてる感じがあるが別に火傷するような熱さではない。正しくは「一般的なシャリよりやや熱い」が正しい。

 

なんでも鮪の味見の時にたまたま炊き立ての熱いシャリしかなかったので合わせたところそれが美味しかったからだそうだ。

セオリーから外れていた為、少しづつ常連客に熱いシャリを出していったところ好評となりそのままいまのスタイルとなる。

おまかせは税込27,500円。

以下、いただいた料理。


 

 

シャキシャキの玉ねぎ醤油をたっぷりとつけて。皮はパリッと繊細に。香ばし香りに玉ねぎ醤油のコク、むっちりとねっとりとした赤身に戻り鰹らしい脂は甘く。

シンプルだけど火入れから何まで計算されてます。

 

ヒガンフグ

筋肉(身)以外全て毒というヤバすぎるフグ。

5時間前に大将が実験台になったという事でいただきます笑

三日程寝かせてはいるがこれが驚くほどかなり力強い歯応え。旨味の塊あん肝ポン酢と共に。

ボイルされてる身皮も同じく筋肉質な歯応え。

弾力を食う感覚。

 

あん肝

こちらあん肝単品に合わせる酒があるということで20ccほどいただく。

粘度があり香り高くかなり甘めのお酒。

単体でも脂がのってて美味いんだけどこの酒が甘い味つけのあん肝に寄り添う。

 

松茸の土瓶蒸し風

銀杏と共に。器ごと蒸されてて熱々。

贅沢にしゃくしゃくの身の食感を堪能し、香りと出汁を楽しむ。長生きできそ。

 

白子

焼いた白子とシャリ、甘い餡をぐちゃぐちゃに混ぜていただく。味わいに重厚感が増し、食感は一体感を。

 

鯨ベーコンの味噌漬け

ちびちびと飲みながら。

旨味、脂、じんわりと。これ本当いい当てです。

 

鰹、河豚、あん肝、松茸、白子、鯨をいただいた後、いよいよ握りに。

ガリは甘味強く、酸味、微辛。


 

 

中トロ

溶け感は包丁による仕事によるもの、食べた事ない高温のシャリ。

温度は明らかに人肌より高く、それが中トロの香りと甘みを引き出している。

むしろなぜこの温度帯を誰もやってこなかったのか不思議なくらいネタとマッチしてます。

普段鮨を食べ歩いてる人であればよりこのシャリに感動できるかと。

 

赤身

続けて赤身。脂のアプローチでなく今度はじっくりと鮪のきめ細やかな身質とシャリとの調和を楽しむ。

 

真鯛

徐々にシャリの温度が落ち着いてくる。

しかしこの鯛も香りいいです。もともとのスペックが高いのもあるがこの温度だから余計そう感じるのかな?

 


なるほど、温度が下がれば脂系でなく光り物か。中には当たりネギを。

ここで一回シャリ替え。

 

ノドグロ

パリっと皮目を焼いたノドグロを潰すと脂がジャワりとシャリを濡らす。

熱々のシャリと焼きたてのノドグロの最強タッグは日本人なら鉄板。

焼き魚の旨さを鮨屋で再認識。

 


塩〆で脱水。肉厚な鱚に熱いシャリ。

山葵に梅肉を入れ、ノドグロの脂切り。

 

秋刀魚

皮目をこんがり焼かれた秋刀魚。皮と身の間に旨味あり。強すぎない脂に香り。

温かいシャリと焼き秋刀魚は日本人なら皆んな大好き。

 

ホッキ貝

シャリが冷めてきた頃に今度は貝類を。

噛んでると貝のエキスがジュワリと。

ジューシーさと甘さが強烈。これ、火入れが抜群です。

ついシャリの温度ばかりに意識がいきがちだけど仕事の丁寧さが光る。

 

車海老

海老は茹で置き、シャリは熱々。

これもまた他の店で味わったことがないギャップ。

茹でたてでいくかと思われたがここは茹で置きで旨味を優先させ、香りはシャリの温度でたたせる。本当に美味しいを追求されてるんだな。

 

小肌

みっちりとしてジューシー。

旨味、香り。

 


昆布〆。温度によりトロッとトロける秋鰆。

中トロの様な位置付け。

 

カンパチ

皮目を炙った状態で漬けにしている。

だいぶネットリとしてます。

 

大トロ

ここで大トロか!シャリ熱い!

最初と最後に鮪の脂の甘味を堪能させてくれた。

 

3色丼

雲丹、甘海老、イクラ

みんな大好き3色丼。

 

穴子

激熱。こちらも火傷注意。

シンプルにこれ握るの辛そう。

穴子が熱々なのはよくあるがシャリも熱い。

 

玉子焼き

クラシカルなタイプ。

 

赤だし

 

「高温のシャリ」のフレーズだけが先行しがちだけどやはり佐たけは高温のシャリがだんだんと冷めていく流れでのネタとの調和が面白い。

脂が多いネタは熱いシャリと。温度が落ち着いてきたら光り物や貝類で。いかに鮨とは温度が大事かをこの店で学ばさせてもらえる。

ちなみにこの日は全部で5回シャリを変えてました。

さらに佐竹大将の握りの手数の少なさ、素早さにはついつい見入ってしまった。

紛れもなく鮨界に新たな可能性を提示した名手だと思います。

ごちそうさまでした!


 

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