本日は今年の10月にオープンしたばかりの新店「鮨 神楽」へ。読み方は「かぐら」。
新橋駅より徒歩5分程の裏路地にひっそりと佇む。
オープン日は2021年10月18日。
凛として品を持ち合わせた和な外観。
カウンターは9席。シンプルで非常に清潔感溢れる。
おまかせコースは税別18,000円。この辺りでも安めの金額設定ではなかろうか。
大将の望月将さんは「銀座久兵衛」で12年研鑽を積まれ、その後「鮨おにかい」を経て独立。つまみ、握りと潔いほど非常にシンプルでクラシカル。大将の実直さが出た正統派がいただける。
以下、いただいた料理。
じゃが芋の摺流し
まずは温かな摺流しで胃を温める。
じゃが芋の柔らかな味わいが身体に染み込み胃が目覚めはじめるような感覚。
鰹
脂は適度。クリアで舌触りのいい身質、仄かな鰹の鉄感、あたり葱のコク、炙った皮目の香ばしさ。
蛸の柔らか煮
柔らか煮と言ってもある程度蛸としての食感は残す。柔らかくし過ぎないところで止める塩梅大事です。
カマスの塩焼き
あっさりとして、身はホロホロっと崩れ良く、皮目の香ばしさと旨味の余韻。脂に頼らない塩焼き。
平目
シャリは赤酢、米酢、塩、微量の砂糖。
味わいはかなり穏やかで淡く、どのネタにも寄り添うオールラウンダー。
硬めに炊かれた米粒はネタと交わいながらも解けていく。
シャリ馴染みを良くするため細かく切れ目を入れてある。
鰤
脂の主張もあるが香りの余韻いい感じ。派手さはないがこれくらいが好きです。
メヒカリ一夜干し
生魚でない肴を挟みコースと味わいに緩急をつける。
ホッキ貝
大ぶりな貝のみずみずしさを口いっぱいに堪能。
車海老
茹で置きによる甘みと旨味がしっかり出た一品。そりゃパフォーマンスや驚きで言ったら茹で立てでしょうがしっかりと旨い海老とはなんたるかを感じ取れました。
強いネタの後に淡泊だけど品のあるサヨリを。
貝柱の茶碗蒸し
貝柱がまたいい出汁出てます。シンプルだけど滋味深い。滋味に富む。
中トロ
茶碗蒸しで胃と口内を温めたら中トロの脂を溶かす。シャリと共に甘みと香りの両立を楽しむ。
漬け
柵のまま湯通しして醤油に漬けた昔ながらの湯霜漬け。伝統を食べる。
小肌
甘海老の酒盗漬け
ちょいちょい肴がいいタイミングで出てくる。
飲ませ上手です。
シャリに対して量の多いイクラは食べ応えあり、卵の旨味あり。
雲丹
香りみなぎるこんとびの海苔を使用し雲丹を盛り立てる。
干瓢巻き
干瓢は柔らかく、濃いめの味付け。
ここでも海苔の香りに法悦。
玉子焼き
ねっとりとした昔ながらの玉子焼き。
味噌汁
海老の出汁が出た味噌汁。旨い!
ほうじ茶アイス
渋みがいい。
お会計は約23,000円。
鮨ブームを象徴するようなパフォーマンスなし。過度な自己主張なし。産地自慢なし。
あるのは確かな仕事、絵に描いたような王道。
大将が店の空気を作っていくのではなく、あくまで客が居心地良くなるように一緒に空気を作っていくような穏やかな接客。
コロナ禍で世の中は不景気になり、価格高騰の鮨バブルに疲れた人たちがいま求めてるのは比較的安価でこう言った未来永劫飽きられない鮨なのではなかろうか。
ごちそうさまでした!
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