全国を食べ歩いた美食家ビア氏による日本料理とタイ料理の組み合わせが楽しめる唯一無二のレストラン「美会」が銀座から六本木に移転した。
場所は六本木のミッドタウン側、乃木坂方面。
銀座のお店に飾ってあったビア氏と料理人との写真は一切なくなり、移転に伴い改めて「料理で勝負する」という意気込みが感じられる気合いの入り用。
結論から言えば、素晴らしかった。
銀座の時は美味しいけど「珍しいことしてるな」の方が勝っていた。
が、特に今回は出汁により力を重厚的にする事でしっかりとした土台を形成。そこに組み合わせたタイのスパイスやハーブが見事な相乗効果をみせている。
これ本当に凄いと思います。唯一無二であり、しっかりと美味しい。
さらに、ワインのセレクトも素晴らしい。
日本語を話すフランス人ソムリエが厳選したワインはビンテージや流通量の少ない希少品など、珍しい一本も揃っており、ワイン愛好家にはたまらないラインナップ。
以下、いただいた料理。
毛蟹 あん肝 百合根
鮟肝は「カー(英語:ガランガル)」と呼ばれるタイの生姜と一緒に炊いてあり、円やかさのなかに生姜の風味が調和している。
さらに毛蟹の甘さ、百合根、微かなタイのフレッシュハーブの香りが秀逸なジュレとバランスが至極絶妙。
ノドグロ 蛤 オニテナガエビ 大黒シメジ
この器は一つ一つが手作りで一点物らしい。
世界三大スープの一つであるトムヤムクンの和バージョン。
様々な日本の食材から出汁をとったスープは出汁による旨味が極濃。
日本の温泉水で育てられたタイ海老の身質は解けるようで、他に大黒しめじ、そして紅瞳の脂がスープに溶け出しさらに旨みがプラスされる。
フグ 朝天辣椒 八角 山椒
要はスパイスを使った虎河豚の唐揚げです。
筋肉質で旨味の強い虎河豚を刺激的なスパイスや八角などで食わせる日本料理屋さんが絶対やらないであろう唯一無二の料理。
これがめちゃめちゃ尾を引くピリ辛さと仄かな酸味など全てのバランスが秀逸。
フカヒレ タイ薬膳
日本一の水揚げ量を誇る気仙沼産。
旨味を凝縮するため、じっくりと寒風にさらた「天日干し」で掃除もこちらで行っている。
餡掛けはスッポン出汁、タイの薬膳スープ、天草大王で作った鶏白湯。この薬膳が入る事でまた味わったことのない香りと旨味に浸れる。
味変として酸味は穏やかで、辛味のきいた黒酢を入れて。
黒鮑 オースワン
黒鮑と黄韮のオムレツ。もはや旨み爆弾。
オースワンというタイ料理の応用。円やかで黄韮による香りやコクで日本人にも馴染みやすい味となっている。
クエ プラーヌンマナオ
プラーヌンマナオ(白身魚のライム蒸し)のクエを使った料理。
聖護院蕪とレモングラス、そして遅れてタイの唐辛子がじんわりと。
脂ののったクエを使用。ライムの清涼感と酸味、唐辛子の辛さ、パクチーの香り。そしてクエの質の良さが際立ちますね。
和牛ナムトック
ナムトックとは豚焼肉とハーブのサラダ。
和牛のハンバーグステーキのスパイシーサラダ。
タイ料理で、肉料理としてのどっしり感はありつつも、だけど重くなりすぎない秀逸なバランス。
トリュフとマグロ
口直しでやま幸の鮪とは…笑
食事は土鍋で炊いたジャスミンライス。中にパンダンリーフを入れて。
カレー2種(世界一美味しいカレー/グリーンカレー)
マッサマンカレー
世界で最も美味しいと言われている「マッサマンカレー」には、海老芋と神戸牛の黒タン。
海老芋は3時間炊いてから素揚げしておりしっかりと日本料理である。
グリーンカレー
「グリーンカレー」には、季節の食材として筍と猪肉。
特に猪は脂が甘く一層カレーを引き立てる。
カノムビアックプーン
タイ風の葛寄せ。ココナッツとパンダンリーフ、上に小豆のソース。
パンダンリーフは苦味や抹茶のような香りがあり、ココナッツと小豆、抹茶の様な和のニュアンスだがしっかりとエスニックでもある。
ココナッツとトリュフの自家製アイスクリーム
本日のペアリング
自分、ビア、料理長で記念撮影
お会計は約48,000円。
日本料理とタイ料理って真逆のベクトルのイメージだけど、不思議としっかり融合し、唯一無二の旨味へと昇華している。
毎日旨いもの食べてるとだんだんと新鮮味がなくなってくるが、ここの料理は枯渇した料理への感動を呼び覚ましてくれる。ごちそうさまでした。
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