東京・恵比寿の「鮨 竹半 若槻」。
日比谷線の恵比寿駅4番出口より徒歩5分ほど。
こちらはビルの2階に位置するが階段を登ると途中でエレベーターで来るよう注意書きがある。
おまかせ 25,000円〜
握り手は2名。
2017年6月に移転リニューアルし新たな装いで再スタートを切った「鮨 竹半 若槻」。
二代目である若槻剛史氏は、先代から受け継いだ江戸前の仕事を基本に、時代に合わせたコースを提案。
二代目:若槻剛史さん
地元・島根で16歳から料理の世界に入り、和食と鮨を経験。
鮨をさらに突き詰めたいという想いが募り、東京がルーツである江戸前鮨を学ぶ為、26歳で上京し「鮨竹半」で研鑽を積む。
初代が闘病の末、永眠となったことで若槻さんが二代目として店を受け継ぎ、平成29年に「鮨竹半 若槻」としてリニューアルオープンした。
結論から言うと師匠から受け継いだことを二代目なりに咀嚼し、個性を伸ばした鮨となっており非常に好感が持てました。
習ったことをそのままではなく、さらにもう一歩現代人の感性に寄り添った趣向が凝らしてある。
以下いただいた料理。
中トロ
手渡しでいただいたのは塩釜の中トロ。こちらでは毎回その日の一番を手渡しで渡してくれる。
シャリは、砂糖を一切使わず、米酢をベース、赤酢、10年熟成の柿酢を使用。柿酢を使用することですっきりとしたシャリ仕上げているのが特徴だ。
コクと最後まで綺麗に主張する酸味が印象的でタネを見事に引き立てている。
牡蠣の茶碗蒸し
上は小豆島の手摘みオリーブオイル。温めることで香りがあがってくる。
春の前菜
焼いた蛍烏賊、筍の木の芽焼き、菜の花とそら豆。この一皿で存分に春を感じます。
初鰹の刺身
新玉葱の醤油と和ガラシがで。
鰹自体の身質はしっとりと柔らかく、味わいすっきりとして仄かな酸味が春らしさを感じさせる。
アオリイカ
再び握りに。細切りにされたアオリイカはシャリ馴染みよく、烏賊の甘さとシャリの酸味が調和した一貫。
真鯛
煎り酒で味付けし、塩昆布をのせて。鯛の香りも十分に。
しめ鯖
脂ののりがいい〆鯖を3枚付にすることでしっかりと食感、旨味を増幅されてます。上には白板昆布を乗せて料理としての一体感がある。
北寄貝
プリっとしたフレッシュな食感と香ばしさを楽しめるように、片面だけをあぶってある。
ノドグロと春キャベツ
随分と変わり種だ。全部ぐちゃ混ぜにしていただきます。
ノドグロの脂がシャリと甘味のある春キャベツに染み込む。
塩漬けにした胡椒と瀬戸内レモンがアクセントになる。
ガチガチの江戸前を若槻さんなりに咀嚼しオリジナリティ溢れる一品を生み出した。
アスパラの浅漬け
赤身
フワッときめ細やかな舌触りに味わいはあっさりと、仄かな酸味を。シャリとも馴染んでます。
小肌
脂と酢の〆加減のバランス良いです。
馬糞ウニ
浜中。
トロタク
直前で大葉で香り付けしたトロタクの握り。
脂が強いと山葵が効きづらいため、上から山わさびを削って香りのアクセントを。さらにちょんと塩昆布をのせて。
大葉、山わさびの香り、中落ちの甘味、塩昆布と沢庵の塩味、そしてシャリの酸味が綺麗に調和してみせる。これは皿の上にのった立派な「鮨料理」である。
車海老
茹でたての海老とシャリの間に挟んだ味噌のコクも旨味十分。
穴子
ネギトロ手巻き
主役はトロではない。千住葱である。
千住葱の香りと後半の甘さ、海苔の香り、トロの甘みが渾然一体となる。
玉子焼き
塩が効いた玉子焼き。
味噌汁
ビール(白穂乃果)、ハイボールでお会計は約30,000円。
初代から受け継いだ江戸前の技術を若槻大将によってアレンジを効かせ、個性を伸ばした握り。
それらは決して鮨の枠から出るわけではなく、そのバランス感にセンスを感じます。ごちそうさまでした。
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