東京・新富町にある「WAGYU USHITOMI GINZA」。
2022年6月、「うし富味」としてオープン。
お店は4月のプチリニューアルに伴い、店名も英語名に変更。海外向けインバウンドを意識されています。おかげで海外のお客さんも増えたんだとか。
東京には数多く肉割烹のお店があるがこちらはタン・ハラミをメインとした肉割烹。とは言ってもサーロインも出るし特にタン・ハラミだけに縛ってはいないようだ。タンって毛嫌い外国の方もいるしね。
場所は新富町駅より徒歩5分。「鮨はしもと」のすぐ近くです。
店内はL字カウンター8席のみ。まさに鮨屋か和食屋さんのよう。
本日のコースは「黒毛和牛 USHITOMIおまかせ肉割烹 23,000円」。
最初に出てきたのはタンと正肉。
・黒毛和牛のユッケ
温度は冷えており、食感はスッと直線的。
口内温度で溶け、まろやかな和牛の余韻が残る。
溶けていく脂による甘味とキャビアの塩味が上手く抱き合う。
・聖護院蕪のテールスープ
テールスープは昆布でもない、淡く儚い旨味。少しガラスープが入っているようだ。
・黒毛和牛フィレカツ
海苔の上に赤酢のシャリ、フィレカツ、木の芽などを乗せてクルッと手巻きのように食べさせるスペシャリテ。
確かにこう言ったお店ではヒレカツサンドが定番だがこれは記憶に残る食べさせ方です。海苔の香りもひと役かっています。
・黒毛和牛サーロインしゃぶしゃぶ
サシが美しいサーロイン。
ふわっと優しい舌触り、脂の甘味、そしてなによりもキレの芹の香りが全体をまとめ上げる感覚。
・蝦夷鹿
蝦夷鹿と芋チップスと合わせるこれまた珍しい組み合わせ。オホーツクの蝦夷鹿のシンタマと同郷の芋を合わせた一品でバルサミコの酸味が味を引き締める。
・黒毛和牛タン、ハラミ
肉厚にカットされたタンはプリッと旨味を孕んでいる。
脂と余韻、蜜柑のフレッシュな甘味と合わせて。
ハラミは甘い牡蠣と一緒にいただく。炭火の香ばしさも香りの要素。
・雲子 蟹
白子とセコ蟹、菊の酢の物の酸味のバランスが良い。
・黒毛和牛タン
石鍋に入れられグツグツを音を立てて和牛のタンの小鍋がやってきた。
温泉卵を崩してホロホロのタンと絡めて。
牛タンを柔らかく戻して、上から湯葉をかけて。
・牡蠣
牡蠣の土鍋ご飯。
旨味色濃い牡蠣に葱の香りが合わさるシンプルでいて普遍的で日本人の味覚に寄り添う〆。
・梨 巨峰
シャインマスカット、梨、ゼリーそれぞれ3種類の甘味を楽しむ。
お会計は一人約33,000円。
ビール、グラスワイン2杯、ハイボールをいただいた。
昨今では既定路線の退屈な肉割烹が増えつつあるが、味や香り、食感の構成要素のバランス良く食べ手を飽きさせない。
和食は少し角度を変え、和牛の旨みを和食で引き立て、発想は柔軟。他の季節も食べてみたいと思った。ごちそうさまでした。
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