鮨 あい澤の真骨頂は白身だと思っている。勿論、やま幸から仕入れる鮪も貝類も鰹も穴子もどれも素晴らしいのだが、やはり白身の魅力をここまで引き立てる職人は稀である。
というよりも鮪、車海老、穴子、雲丹などのタネに比べると地味が故に、どうも白身にあまり思い入れがなかったり、蔑ろにしている職人も少なくない。むしろほとんど白身が出てこない鮨屋だってある。
そんな中、白身の扱いに長けた相澤氏による常連向けの超特別限定コースにお招きいただいた。さて、その内容とは…?
親方: 相澤博久さん
「普段やらないから裏はバタバタです」。
本日は相澤さんがやりたいことをとことんやりつくす会。にしても中には攻めた料理も。伝統にとらわれず必ず一度疑い、咀嚼して自分なりの料理にする。そこにはしっかりとした相澤さんの個性が宿っている。
以下、いただいた料理。
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ヤガラのお椀
ヤガラの骨で出汁をとったお椀でまずは胃を温める。しかしヤガラって凄くいい出汁取れるね。鍋に入れたいくらいだ。
炙りしめ鯖
上が炭火、下がガスバーナーで炙ったものでそれぞれ香りの違いを堪能。ガスバーナーで焼いたものは見た目でもわかりやすいね。今度から見破れちゃうよ。
出汁巻き玉子
極限まで出汁を使ったほぼ液体の様な出汁巻き玉子。出汁が綺麗に鼻を抜けていく。
帆立バター+タラコソース
普段素材から味を引き出す相澤さんがこの日だけバターを使用。やっぱバターとたらこって鉄板だよね。
カラスミ
右が焼いたもので左が生。焼いた方が香りが開いて粒感も感じられます。白ワインの当てになりそう。
以下、握り。
金目鯛
白身の握りトップバッターは銚子の金目鯛。寝かせる期間や塩のタイミング、量によってびっくりするくらいの旨味と香り。
そもそも金目鯛の味がこんなにもハッキリして店って珍しいです。なぜならだいたい皮付きの脂で味がボヤけてることが多いから。この金目鯛は間違いなく相澤氏のスペシャリテと言っていいと思います。
カワハギ
上には肝を。淡白気味な身に旨み溢れる肝ソース。咀嚼してうちに後半から香りが一気に開いていく。
中トロ
白身メインだけど本日の中トロもきめが細かく身の質感も柔らかく、かつ香りの余韻も長い。
煮蛤
「甘ダレを使わない煮蛤」ということで蛤本来のミルキーな味わいを存分に感じられる。
煮ツメの味って何故あんなに濃いのでしょう。煮ツメを食わせたいのか蛤を食わせたいのか疑問です。
再び白身。すごいね、この絵。
甘鯛
10日目。だけど身に弾力と香りがある。多分、いまがピーク。パワーがあります。
太刀魚
低温で調理した太刀魚。
レアっぽくもあるがちゃんと火が入っているから凄い。まるで太刀魚の生ハムの様な、食べたことがない太刀魚である。
真鯛
いやぁ、真鯛旨いなぁ。
鰆
秋のトロ鰆は脂担当。旨味と甘みの共存。
鰯
匂いが出る恐れがある為冷たく出すのがセオリーだが、あえて常温で。しかも温かいシャリを合わせるというめちゃ攻めた一貫。おかげで脂による溶け感が素晴らしい。
ホウボウ
脂があって後味には独特な香りをみせるホウボウ。
クエ
二週間。硬めに握り咀嚼を促す。多めに入れられた山葵も活きる。噛めば噛むほど旨味が出てくる。
マツカワガレイ
穴子4種食べ比べ
鮨あい澤では腹の方はタレを使い皮を上にしてゼラチン質と共にコッテリ感を出す。
塩は尻の方で身を上にしてさっぱりと。
作り手の考え一つで穴子一つとっても表現方法が異なるのが興味深い。
焼きおにぎりのお茶漬け
削りたての本枯節の香りが色めきだち、鯛の骨でとった出汁が旨味の深い余韻に浸らせる。
玉子焼き
下のプリン部分が増えてる。まるでケーキです。甘いんだけど後味スッとひくみたいな。
本日のお酒
本日のお会計27,000円。
白身でコースは成立するのか?という疑問は愚問となった。全ての魚にはしっかりと味があってそれを丁寧に引き出してくれたおかげでまた白身の魅力に気付かされました。
確かに脂も魚の旨味のひとつだけど、それだけに頼らない相澤さんの鮨が好みです。
凄い会なんだけど人手もいれば、仕入れのタイミングも難しいのでなかなか頻繁にはできないが是非また行きたい。ごちそうさまでした。
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