【麻布十番】総本家更科堀井 本店「これほどまでに喉越しが艶めかしい蕎麦があるとは…」

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蕎麦・うどん

江戸の三大蕎麦「更科蕎麦」を知る。

黒い蕎麦ほど蕎麦粉の割合が多いと思ってるなら大きな間違い。

蕎麦の実と蕎麦の色にはあまり関係性がないのは意外と知られていない。

だから十割蕎麦でも真っ白なものもあるのはそういう理由だ。

蕎麦の実の中は中心に近い順に「一番粉」「二番粉」「三番粉」に分かれている。

数字が大きくなるほど色が濃く香りが強くなりそれぞれどの粉を使ったかで蕎麦の色はまったく異なってくる。

この中心部分の白い「一番粉」を使用したのが更科蕎麦である。

蕎麦の香りは弱いがほんのりとした甘みと風味がある。


 

さて、本日伺うのがその更科蕎麦の発祥とされるお店「総本家更科堀井 本店」。

ほかにも麻布十番には「更科蕎麦の発祥」とされるお店があるがここが正真正銘の発祥のお店といっても過言ではない(お店の人に色々聞いた)。

創業から230年以上続くお店でめちゃめちゃ格式高いかと思ったら意外にもインスタとかFacebookとかやってたりなんかちょっとほっこり。

メニュー


ビンビール(中) 730円

ビールはプレモル、キリンなど数種類から選択。

揚げ蕎麦

ぽりぽりとつまみながら料理が出てくるのを待つ。

板わさ 600円

左のカットの仕方が少し変わっている。

むっちりとした食感に

思ったよりも刻み海苔の香りがいい感じ。

玉子焼 750円

名物の玉子焼はフワッとして出汁が効いたほんのりと甘みがあるタイプ。

黒豚返し煮 920円

蕎麦屋にしては珍しいいわゆる角煮的なもの。

かなりトロトロホロホロで良く煮込まれた豚肉は嫌味のない味醂の甘みがいい。

白髪ねぎのピリ辛が何ともいいアクセント。

レギュラーの酒以外にもあるようだ。

熊本のお酒を。

遠出できないんだから酒だけでも九州へ。

花の香 870円

綺麗な甘味に酸のキレもそこそこに。

全体的にだらけすぎないキュッとしまる感じは飲み心地よくずっと


 

更科そば 950円

ようやくきました。

一番粉を使用した白色の蕎麦。

一口食べてみると確かに蕎麦粉の香りは弱い。

だけど何でしょう、このみずみずしさと喉越しは。

正直いって「蕎麦は香り」と思い込んでいた自分を後ろからどつきたいくらいだ。

何も知らないクソガキでした。

これほどまでに喉越しが艶めかしい蕎麦に出会ったことがない。

つゆは甘めであはあるが濃縮された鰹の風味が素晴らしい。

「みずみずしい」。

この蕎麦はそれに尽きる。

あっという間に平らげ、そばつゆを。

蕎麦湯はそこまで濃いものではないがもとのつゆの力強さみたいなのを堪能できる。

飯として蕎麦だけをガッツリ食べに来るなら量は物足りないだろうな。

何品か一品料理を食べてから蕎麦で〆るか、江戸時代みたいにおやつがわりとしてサクッと食べるかのどちらか。

今回冒頭に更科蕎麦についての知識を披露したのは意味があって、更科蕎麦について知識がない者は「蕎麦のくせに香りがない」と簡単に否定してしまうからだ。

だって蕎麦の実の中心部分なんだから香りが弱くて当たり前。

知らない人に限って何かと批判しがちである。

私の持論だが、料理の知識は必ずしも必要とは思えないが知識があると人生が少し豊かになる気がします。

あぁ、知れば知るほど蕎麦ってなんて奥深いんだろう。ごちそうさまでした!

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