みんなからチヤホヤされる雲丹は一番ズルくてめんどくさいやつ

スポンサーリンク

雲丹ってズルくないですか?

いきなり何言ってんだコイツ?と思われたでしょうね。

実は近頃は鮨屋で自分が美味しいと思った握りをほかのお客さんはどう思うのかだんだんと客の反応を気にし出すようになりまして。

いや、ジッとはみないですよ?

実際、握り12貫とか出てきて全て感動するなんて事はもはやないわけですよ。

そりゃカウンター鮨まわりたてのウブな頃は違いましたがね。

(鼻に付くよね。はい、生意気なこと言いました)

その中でとびきりのネタに出会うと俄然テンションが上がるんです。

そう、まさに運命の出会い。

世の中に女はたくさんいるけど「こいつだ!」って思える人って滅多にいないのと同じでクリティカルヒットな握りに出会ってテンション上がるわけです。

だけど横を見るとパクッと食べて「うま」で終わられる事があります。

(何食っても今までの反応と同じじゃねぇかよ)

そんでまた仲間と会話し始める。

いやいや、このネタのクオリティと仕込みは他にないからもっと噛み締めようぜ!と心の中で思うんだけどあまりピンときてないんだろうと諦める。

そういう人に限って雲丹が出てきたらテンション爆上がりで写メなんかパシャパシャと撮ったりする。

あぁ、そういう人か…と心の中でサッと線を引いたりします。

(もちろんそこは態度には出さないけど)。

そこで雲丹についてなんだけど、なんであんなにチヤホヤされるのか?

だってあいつシャリに乗っかってるだけじゃん。

努力で美味くなったんじゃなくてもともとのスペックなんですよ。

いわばもともと金持ちの家に生まれたボンボンなんですよ。

何もしてないのに妙にオーラだけはあるからみんなからやたらとチヤホヤされる。

なんだかだんだんとムカついてきません?

しかも鮨屋からしたら買ってきた雲丹を乗せるだけ(自分のところで塩水につけ直すことはするけど)なので実力の差が出ないネタなんです。

伸び代ないんですよ。

言い換えると鮨職人からしたら一番つまらないネタと言っても過言ではないわけだ。

だって買ってきた雲丹を乗せるだけなんて誰が作っても同じじゃない。

(雲丹がウリのお店、ゴメンナサイ)

それなのにこないだの隣の席のオッサンは「今日は雲丹が一番美味かった!」と何の悪気もなく屈託の無い笑顔で言うもんだから微妙な顔してる大将の顔が不憫で仕方なかったですよ。


 

そんな雲丹だけどここ近年では金額がめちゃめちゃ高くなってきた様でいい雲丹を買えるかどうは鮨屋同士の体力勝負になりつつある。

鮨屋からしたら調理しなくてもとりあえず出しとけば客は喜ぶから出したいネタなんだけど金額が高くなりすぎて出すべきか悩むネタでもある。

個人的には雲丹は出なくてもいい。

鮨屋の実力関係ないしよっぽど美味い雲丹ならまだしも中途半端なクオリティを持ってこられるくらいだったらいっそのこと出ない方がいい。

(高いんだし無理しなくてもいいよ。だったら他のネタに金かけてほしいと心の声)

だけど雲丹が出ないなら出ないで客から「あの店、雲丹出なかった」とか某口コミサイトで陰口言われちゃうもんだからやっぱり店としたら買わないとなってくる。

こう考えると雲丹ってもはや必要悪なんじゃないかとすら思えてくる。

昔に比べて平気で倍の金額になっている雲丹。

今後はさらに雲丹が高くなるかもしれない。

そうなった時に本当に雲丹を出すべきかどうか?

「うちは雲丹を出しません。その代わり他にお金かけていいネタ出します」って明言してれる方が潔かったりするのかも。

雲丹ってやつは本当にズルくてめんどくさいやつ。

今日も全国の鮨屋は頭を悩ませるんだろうな…

コメント