「恵比寿 鮨 ふじまさ」は恵比寿駅西口より徒歩3分ほど歩いた線路沿いに面したビルの2階に位置する。
いささか隠れ家っぽさもありデート向きではあるが今宵は1人鮨。
場所的には「恵比寿 えんどう」の近くです。
オープンは2020年10月。約一年が経つ。
店内はカウンター10席に個室あり。
いまはコロナ禍ということで6席まで絞って営業中。
遮るものが無い清々しいカウンターで臨場感溢れる握りを体験できる。
店名の「ふじまさ」は大将の名前でなく、オーナーさんの会社「藤昌(とうしょう)」の読み方を変えたもの。
大将: 鎌田研さん
もともと日本料理を学び10年ほど鮨を経験し、満を持して恵比寿にオープン。
人当たりよく料理の説明がとにかく丁寧で聞き取りやすいのでまだカウンター鮨に慣れていない人にもいいかも。
おまかせフルコースは22,000円(税込)。
以下、いただいた料理。
トロの手巻き
勿論トロも美味い。だが、こんとびの海苔が素晴らしい。
青海苔の香りの強さと味の濃さがトロに全く負けていない。この海苔を使うならこう言った強いネタだろう。
ちなみに鮪卸は「山和」。
胡麻豆腐
少しだけタピオカ粉も入っていてかなり粘り気がありもっちりと。
甘みの強いバフンウニが存在感を放ってます。
醤油の味付けは淡め。卵黄を感じさせるイクラ本来の味わいを堪能できる。
煮蛸
柔らか煮(桜煮)。大根で叩いて煮ており柔らかさはひときわ。
炙ったことで多少の脂が抜け、皮目は仄かに香ばしく、身はふわりとした柔らかさに。
シャリは赤酢、塩。
福島県のコシヒカリを赤酢で仕上げた酢飯はネタと調和しほどけていく。
赤酢は幾分マイルドでどのネタにも合いそうなオールラウンダー。
サイズが少し小ぶりなのはこれからでてくる品数を考慮してのことだろう。
新烏賊
アカムツのあとは塩とスダチでサッパリと。
新烏賊特有のスカッとした歯切れのいい食感とシャリとの絡みは潔さがある。
炭火による香ばしさを纏い、ホロホロっと滲む脂と凝縮された旨みはシンプルに焼きの良さを実感できる。
鱧と松茸の土瓶蒸し
終わり頃の鱧と季節の松茸の土瓶蒸しで胃を温める。滋味深く、松茸や出汁の香りを存分に堪能した。
鱚
鱚本来の旨味を出す為、昆布〆でなく、塩〆で。さらに上には塩を。
赤身
大間。筋のない赤身である「テンパネ」部分。柔らかく味が濃いのが特徴。
まだフレッシュな鮪の様だ。
中トロ
血合いぎし。もうちょい寝かせると包丁入れずに済みそう。
トロの漬け
地カラシ。
カマトロ
他の店だと焼きにするところが多いがここでは握りで。
特筆すべきなのが筋の旨み。噛めば噛むほど味が出る。
鰯
大阪。
身は厚く、脂推しでなくちゃんと香りのある鰯。
ホッキ貝
片面は炙り、片面は生で。
炙った側はサクッと、生側はプリッと食感の違いを。甘味も後半にかけて徐々に増していく。
新烏賊のゲソ
シンプルに焼いたもの。
鮑茶碗蒸しご飯
茶碗蒸しにシャリという新感覚。鮑の肝と海苔の餡。
茶碗蒸しの出汁は鰹なので違和感なし。
車海老
シャリの温度は高くなり、茹でたてならではのシャクシャクの食感、甘味がいい。
香りも立ち海老味噌のコクも。
標高の高さに思わずニンマリ。
だいぶねっとりとして甘みも強く味も濃い。
これでミョウバンが入っているというから驚きだ。臭みはない。
半分にカットして塩とツメの2種類で提供。
フワトロを味を変えて堪能。
干瓢巻き
干瓢はキリッと濃い目の味付け。
ここでもこんとびの海苔が活躍。
胡麻と胡瓜。こちらは干瓢の後に食感と爽やかさ。
蜆の赤だし
玉子焼き
上がキャラメリゼされた様なスイーツ的な玉子焼き。
約28,000円。
つまみで遊び心を取り入れ、握りは奇をてらったことはせず実直な握りを。
ネタになんでも包丁を入れがちな店もある中、鮪に何故包丁を入れるのか?という質問に対して理にかなった解答をしてくれたのが好印象。
黒い寿司ゲタをこまめに拭いてくれたのも嬉しい心遣い。
大将は日本酒好きという事で美味しいお酒を飲んでもらいたいという想いから店にとっては割高な四合便を複数扱う。
料理に関してはしっかりと説明してくれる為カウンター鮨入門編としてもいいと思います。
ごちそうさまでした。
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