東京・広尾のフレンチレストラン「レストランひらまつ 広尾」。
1982年4月、フランス・パリなどで修行を積んだ創業者・平松博利(ヒロトシ)氏(通称:平松宏之)によって東京・西麻布に開業した「ひらまつ亭」。
1988年に広尾へ移転し、「レストランひらまつ」と改名。
以来、東京を中心に日本各地に高級レストランを出店。
2001年にはパリに進出し、なんと4ヶ月後に日本人オーナーシェフとして初めてミシュランガイドで一つ星を獲得した。これは史上最短記録となる。ちなみにミシュランが東京にやってきたのは2008年なのでそれよりも7年前に星をとったということになる。
店内は1階から3階まであり、我々が通されたのは2階のもっとも広い完全個室。
絵画、シャンデリア、暖炉など温かみある高級感溢れる空間。
この日はランチコース14,000円税込。
まず最初に卒業証書サイズのコースメニューを渡され、ひと通り料理の説明をうけます。
ちなみに帰り際には縮小されたメニューをいただけます。
この時のサービスの方達の声のトーンが非常に心地良く、徹底してます。
オプションのチーズの説明も凄い種類なのに一個づつ丁寧。
個人的には料理と同じくらい大事なサービスなので彼らの対応は実に気持ちのいいものでした。
ひらまつを継ぐ中川尚シェフの料理はクラシカルで普遍的なフランス料理の美味しさを伝えてくれる。
ひらまつでのキャリアは20年。ひらまつのパリでも料理長を任されていたほど平松シェフからの信頼も厚い。
海外産と国産の上質な素材は香りよく、甘味、旨味を最大限に引き出されています。食材をそのまま食べるより美味しい。当たり前なようでいてこれって凄いことです。
以下、いただいた料理。
・グジェール
ひらまつ定番のフィンガーフード。
シュー生地に3種類のチーズを使用。
シャンパンがあればこれだけで無限にいけそうです。
・イタリア産赤ピーマン 高知県岡崎農園のフルーツトマト
こちらもひらまつでは定番の一皿。
甘味あるトマトでソースを仕上げ、少し弾力をつけたイタリア産の赤ピーマンのムースと合わせて。
色合いはあえて同色。だけど味わってみれば二つの素材がくっきりと浮かぶ。なるほど、素材の持つ力強さを皿に移すシェフなのかも。
・パン
・石川県輪島産の毛蟹とランド産ホワイトアスパラガスのクープ ホワイトバルサミコのジュレ
フランス・ランド産の一本のホワイトアスパラを切り方、調理法を変えて丸々使用した一皿。
アスパラガスの穂先は柔らかく、中軸部分は角切りにして能登の毛蟹と合わせてある。
硬い部分はムースにして。ホワイトバルサミコの酸を効かせた出汁のジュレは甘酸っぱく、ホワイトアスパラと毛蟹のそれぞれの香りと味わいを楽しませてくれる。
ホワイトアスパラと毛蟹って定番の組合せだけど丁寧な調理法と食べさせ方で改めて感動させてくれる一皿になっている。
・鹿児島県産釣りキジハタのグリエ ハーブの香る北海道長万部産黒北寄貝と桑名の蛤 京都府塚原産白子のバリグール風
まず計算された盛り付けの美しさに目を奪われた。これがフランス料理の美しさだ。
京都の白子筍(地上に頭を出す前に掘り出した、真っ白でえぐみが少なく柔らかい筍のこと)。
キジハタは一週間熟成し程よい脱水と旨味を内包し、皮目はパリッと焼き上げた。
なにより桑名の蛤の持ってる味は濃く、甘い。北寄貝と筍の食感アクセントもいい。
魚介の旨味をたっぷり堪能できる一皿。
・京都府亀岡 ななたに鴨のロースト ソース・グランヴヌール 新潟県産中原かぶと北海道ひだか町蓬栄地区のグリーンアスパラガス
ななたに鴨の胸肉のロースト。ソースは赤ワインをベースにしたグランヴヌールソース。
炭焼きにした新潟の蕪、グリーンアスパラガス。
グリーンアスパラガスのピューレ、百合根のピューレ。
先ほどのホワイトアスパラも美味しかったが、このひだか町のグリーンアスパラの香りは鮮烈だ。鴨に匹敵するほど印象に残った。
・オプションのチーズワゴン
・ガトー・ショコラ < HIRAMATSU>
ひらまつスタイルのガトーショコラ。濃厚で甘味が強い分、苺は酸味がありこのコントラストがいい。
・フレッシュヴェルヴェーヌのアイスクリーム
柑橘とハーブの香りを移した爽やかなアイスクリームでさっぱりと。ギリギリの溶け感がいい感じ。
・ミニャルディーズ
お会計は約21,000円。
なんでこの店が一流のグランメゾンと呼ばれてるのかがよく理解できました。ごちそうさまでした。
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