【愛知県名古屋市】天風良 にい留「誰も到達できない境地!衝撃体験をここに綴る!」

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天ぷら

予約の方法は予約サイトのOMAKASEのみ。

特に常連を贔屓にはせずに先の予約は受け付けず一斉スタート。

新規にも来てもらいたいという想いがある様だ。私はここに好感が持てた。

予約時間開始5分で1ヶ月先の予約が一瞬にして埋まる。

まるでプレミアチケット争奪戦。

そう、いまや日本一との呼び声の高い天ぷら屋「天風良 にい留」である。

そして幸運な事に私はそのチケットに当選した。

という事で新幹線で名古屋へ。

場所は高岳駅から徒歩5分ほど。

カウンター10席のみ。昼営業は行わず、夜のみの一回転のみ。

大将の新留さんはいかにタネが美味しくなるかを徹底的に研究された方。特徴は大きくわけて二つ。

まず一つめは衣。

無数の穴があいたものでスピーディな脱水により短時間で揚げることが可能になる。

つまり素材の旨味を逃すことなく揚げることができるというわけだ。

そして2つめは揚げる温度は低温。

高温でカラッと揚げるのが昔ながらの天ぷらのスタイルだったがここでは基本低温。

時には火を止めたりと柔らかい温度で揚げてる為、素材感も出、油の劣化のスピードも優しい。

この衣と絶妙な火加減によりかつてない天ぷら体験をさせてもらった。

つべこべいうのもアレなので早速感想を述べていく。

以下、いただいた料理


 

トウモロコシのすり流し

愛知県渥美半島の「ピュアホワイト」という白いトウモロコシ。

味付けはシンプルに水と塩だけ。

スッとクリアで上品な甘み。


三重県の500gの鮑。余計な出汁は加えず水だけで4時間煮たもの。

昆布でない自然な味を堪能。


紀伊半島の鰹。朝おろしてフランスの塩で当て塩したもの。色も鮮やかなだ。身質はきめ細かく、旨味も強い。

雲丹蕎麦

二子玉の熟成鮨の名店「㐂邑」で出てきた雲丹蕎麦のにい留バージョン。

天つゆをベースにして、塩水のムラサキウニとバフンウニ。

フランスの塩で再度塩水を作り漬け直してるというから手間がかかっている…

確かにここの天つゆ使われたら美味くなる。

直線的で綺麗な旨味が印象的。


 

海老の足

まずは素揚げ。サクッと綺麗な食感。

一気に広がる海老の香りが豊か。

二本目

こちらはつゆにつけていただきました。

軽やかな食感と風味が素晴らしい。

車海老

不思議なことに衣がスッと口の中で消えていく。まるで雪解けの様。これがにい留の衣なのか。そして全く重さがない。

車海老 二本目

新子

天草。耳を疑ったがなんと一度も着火せずに揚げたものらしい。

皮もしっかりしながら程よい苦味、身はとろけるよう。美味すぎる。

いわゆる普通の天ぷら屋で揚げるとこんな揚がり方は絶対にしない。

そら豆

こちらも着火せずに余熱だけ。

お陰で色、香り、甘み飛ばず。

だけどそら豆としての水分は残してある。

これ、そら豆の概念が変わる。

素材が一番美味くなる調理法だと思い知らされる。


 

キス

皮目の方の衣は厚めでサクサク。

身はホロホロっと溶けていく。

ハナオクラ

ちゃんと中心にオクラを感じる様に揚げられている。

つけたり止めたり柔らかい火で調整したもので水分量の留め方と脱水が絶妙。


琵琶湖の鮎。これはいままで一番びっくりした。

苦味がガッと来た後、一気に引いていき、今度は急激な甘みに変わるというジェットコースターの様な衝撃的体験。

これって普通の塩焼きじゃ絶対に出せない味だ。

2本目は天つゆで。

天つゆの甘みとこの苦味が合うのなんの。

赤万願寺とうがらし

もはやフルーツ。
ポテンシャル引き出すとここまで甘くなるのか。


中心レア気味の素晴らしい火入れ。

衣に蛤のエキスがまわり衣自体味がついている。

レア気味の蛤はトロンとして噛めば噛むほど旨味が凄い。なんだこれは…

今まで食べてきた蛤はなんだったんだ…


伊勢湾の鱧。

溶けていく衣、フカフカで甘みのある鱧。

にい留のこの衣と火の入り方なのでこんなにフカフカなのか。

ジュンサイ、小玉ねぎ

広島のジュンサイ、愛知の小玉ねぎ、出汁は鱧の骨で。途中で鱧を投入。


 

トウモロコシ

先程のピュアホワイト。

この水分の残り方、けど水分は抜けて、ジューシーでシャキシャキ。

他だとどうしても揚がりすぎちゃうんだよな。

白海老

大葉の香りも良く、白海老はちゃんとねっとりと。

塩を当てて脱水し3日間寝かせたもの。

ひごむらさき

熊本のひごむらさき。

サイズはデカいが天つゆにつけて食べると物凄い溶け感に感動。

大将自らカメラを持って撮影して頂いた。

衣の穴から水分が抜けてるのがわかる。

他の天ぷら屋では穴子は臭みを飛ばすために長い時間かけて揚げるがここの衣は360度に無数の穴があいており水分が抜けていくので短時間で揚がる。

高温で長い時間揚げれば当然旨味は抜けていくがにい留ではこの衣により短時間でしかも優しい温度帯で脱水が可能なので旨味が抜ける事なく揚がるという理屈。最強かよ。

穴子

衣と身はホロホロと溶けていき、残るのは穴子の甘みと旨味。

うーん、完璧だ。本当に概念変わる。

食事

天茶と天丼から選ぶ。どっちも食べたいけどここは天丼で。

炊きたてのご飯、熱々の赤だし、お新香、そして揚げたてのかき揚げ。

もう言葉はいらない。

ひたすらかきこむだけだ。

ミルクジェラートとサツマイモ

添加物の入ってない自家製のジェラート。

上質な生クリームと卵黄の旨味だけでも半端なく美味いのにサクッとした衣、サツマイモの甘みが加わる。

最後の最後まで驚かせてくれるとは。

お菓子の会社で働いてる隣の方がうちのなんかより美味いですと言い切ったスイーツ。

18時開始で終了は21時半。なんと3時間半。だけど全くダレることなくあっという間だったのはかつてない新留さんの天ぷらロジックに興奮しまくっていたからだ。

素材ごとに衣を作り、火を止めたりつけたりしながら揚げる天ぷら屋ってあるのか?

正直他の天ぷら屋よりも5歩も6歩も先に行ってしまってる感覚。必ずまた食べに来よう。ごちそうさまでした!

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