2022年3月2日にオープンした東麻布の「東麻布 さいこう」へ。
こちらは「はっこく」の2番手を務めていた斎藤さんが大将となる。さらに3番手のブラウニー梶原氏もこちらへ移籍。
場所は麻布十番駅より徒歩3分ほど。
最初、オークウッドのホテル内にあるのかと思ったがその横に位置する。
「東麻布 さいこう」。
これだと一体何の店なのかわからないところもシュールだ。
店内は個室カウンター、BARカウンターがあり、はっこくの様に色んなステージを楽しめる様になっている。
相変わらずパンチパーマの斎藤大将、ブラウニー梶原氏、そしてこの日はMr.Children桜井さんのモノマネが得意な店員さん含め、至極愉快な回となる。
シャリの見た目はガッツリ赤酢だが赤酢と米酢のブレンドで酸味はあるもののそこまではっこくの時のような強さはない様に思える。
(それでも十分他の店に比べれば強いけど)。
鮪の突先の小丼で手巻きはなし。
独立店ならではの、はっこく色からの脱却をはかってる様に感じる。
以下、いただいた料理。
突き出し
鰯のオイル煮、桜鱒のクリームチーズ巻き、そら豆、こごみのお浸し、鮪の突先の小丼。
クリームチーズしかり十分酒を飲ませます。
鰆、縞海老の漬け
寝かした柔らかな鰆、しっかり浸けた海老。
いずれも酒が進みます。
煮鮑、筍
鮑も十分香りのスペックは強いが、特に筍の香りは鮮烈。
太刀魚の塩焼き
千葉竹岡。九条ネギ、大将が激し目におろした大根おろしと共に。
白魚の天ぷら
宍道湖。生海苔と共に。
ノドグロ雑炊
ノドグロの出汁でとった雑炊。
やはりこのシャリはこう言った強めのネタに活きる。
雲丹や姫
しょっぱなから雲丹出す店ははじめてだ。
確かにつまみが強めだったので今更白身からでなくてもいい。これは他の店にも言えること。
しかもこの雲丹、凄くクリアな甘さでレベルが高い。舌が敏感な最初に食わすのはありです。
ホウボウ
ちゃんと香りがあります。
シャリは赤酢と米酢のブレンド。
他の鮨屋に比べて十分主張の強いシャリなのは間違いないがそれでも白身が存在感を発揮しシャリに負けていないのは確かな仕事とポテンシャルの高さが故だろう。
白ウドとたいこ
春子鯛
だいぶ柔らかく仕上げてきた。
朧のマイルドさと鯛がねっとりとシャリに絡み合う混ざり合う。
鯵
鹿児島和泉。
小肌の白子、鰹のハツ
白子は旨味が非常に強く、ハツは淡泊。これが戻りガツオだとまた変わるのかな。
集めにカットしてるおかげで烏賊がこのシャリに負けてない。
中トロ
沼津、133kg、釣り。とても柔らかく香りの余韻も素晴らしい。
当然、赤シャリともドンピシャでハマる。
大トロ
皮ぎしの部分。脂もガッツリだが味も良く脂が邪魔になっていない。
赤身
天身の部分。漬けにしないでサッと醤油にくぐらせた程度。しなやかでいて味も濃い。
塩焼きの雲丹
塩でよりクリーミーで甘みが増すような気がする。
小肌
佐賀。
赤貝
山口。
金目鯛
銚子。もっちりと程よい脱水、香り、甘味、赤シャリによるコク。
鰹
あっさりとした初鰹を銀皮と共に食わせる。
初鰹は脂がない分この方が香りが引き立つ。
車海老
甘さ際立つ茹で加減にシャリの酸味のコントラスト。
あご出汁のお吸い物
柚子、三つ葉、梅干し。
コクの強いシャリが続くので味噌汁でなくここにきてのお吸物が嬉しい。
玉子焼き
若干はっこくと変えてきてる。
フロマージュブランのアイス
完全なスイーツ。
本日のお酒
お会計は約36,000円。
ある程度の金額を払う高価格帯の飲食店においてお客さんに楽しんで帰ってもらいたいという想いはいまや重要な要素でもある。
一回の食事が大事なイベントであれば尚更。
サイコーに陽気な雰囲気は昔ながらの堅苦しい江戸前の店とは異なりまさに令和の鮨屋。
側だけの部分に注目がいきがちだが肝心の料理や鮨は非常によく考えられており、はっこくからの独立ということでまた更なる進化を模索する。
今後もどの様に進化、変化していくのか注目したい。
ごちそうさまでした。
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