東京・白金高輪にあるフレンチレストラン「ラ クレリエール」。
場所は白金高輪駅3番出口より徒歩10分ほど。広尾からも徒歩圏内です。近くには焼肉の「金龍山」があります。
店名はフランス語で「森林に降り注ぐ陽の光」を意味する。
太陽、風、土、雨
私たちを生かしてくれている
すべてへの感謝を一皿一皿に込めて。
店内は白を基調とした品のある落ち着いた空間。
オーナーシェフ:柴田 秀之さん
恵比寿の「モナリザ」本店で修行後、渡仏。フランスでミシュランの星付きレストランで研鑽を積んだ。
コースのはじめにシェフ自らその日に使う食材の説明がある。これらがどんな料理になるのか高揚感止まらない。
ウィスパーボイスの気持ちのいいトーンで説明してくれるサービスの千葉さんは3年前まで六本木の「ル スプートニク」にいた方。相変わらず丁寧で素晴らしい接客です。
料理はクラシックをベースにしつつもどの皿も素材の持つ【香り】が印象的。ソースにはクリームどっしりというよりも素材を煮詰めた素材の出汁が全面に出ています。だから食べ疲れなく、素材の良さをフレンチの技法で我々に教えてくれる。
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以下、いただいた料理。
クレープ生地の中にはブーダンノワールのペースト、粒マスタード、花穂。
ポリっとした粒マスタードは香りと食感アクセントになってます。
下から菜花、マリーゴールドの香りをつけたクスクス、桜海老、ペコリーノチーズ。
小さいながら味や香りの構成バランスが秀逸です。
パートブリックという生地で巻いて揚げた琵琶湖の稚鮎。
稚鮎の下にはおかひじきとクレソン。そしてクレソンをペーストにした緑のソース、梅とレモングラスからとったエキスで泡状にしたソース。笹茶の香りをつけた塩。
稚鮎とクレソンという定番の苦味の組み合わせにソースの酸味、笹茶の香りが寄り添う一皿。
生の雲丹のリゾット、焼いた筍、トリュフと熟成鹿のコンフィの薬味、田せり。そこに筍のコンソメと木の芽のスープを入れて。
山の中で筍掘りの名人が焚き火を焚いて筍を食べさせてくれた経験をもとに、しっかりと鼻で食わせるレストラン料理に昇華。
長崎・小長井町の牡蠣「華漣(かれん)」。51度の鶏出汁の中に入れ、2分ほど火入れした。煮汁と共に。
鶏出汁と牡蠣は合いますなぁ。火入れもギリギリのライン。
焼いた新玉葱と茶碗蒸し。蟹の身と蟹のスープ、明日葉、泡立てた蕗の薹のエキス。
蕗の薹の香りと蟹の旨味が合わさって味わいも香りもバッチリ決まってます。
アスパラの根っこの部分をと生と半生をスライスにしてサラダ仕立てに。
低温で火入れしたサクラマス、キャビア、レモンの皮、日向夏。
栃木のグリーンアスパラは特に香りが素晴らしい。
愛媛の漁師・藤本さんの真鯛。皮目はパリッと、身はホロホロっと旨みを残して。
のらぼう菜を様々なスパイスで味付けされており、酸味のソースと単調にならず。
鮑、付け合わせがプンタレッラ。
この鮑の食感、生なのに火が入っているというか、今まで食べたことのない均一じゃない独特な食感。
こちらは通常コースでは出てこない一品。仕入れの状態によるんだとか。
メインはフランスブルターニュ産の仔牛のロースト。
付け合わせはチベットのモリーユ茸、ホワイトアスパラガス、サラダ。
アスパラの上にオランデーズソース、肉には仔牛と茸のクリーム。
和歌山のさつき八朔、愛媛のスイートレモネード、自家製ジンジャエールのゼリー、柑橘の皮。清涼感満載のスッキリデザートで脂切り。
見た目も華やかな苺のヴァジュラン。
メレンゲのカップの中に、バニラクリーム、苺のコンポート、リコッタチーズ、梅のケーキ、フレッシュ苺、梅のアイス。
台湾パイナップルと蜂蜜のゼリー、カネル、カシスのマシュマロ、チョコレートのタルト。
本日のお酒
お会計は一人約58,000円。
柴田シェフは素材を輝かせるプロの職人だ。食材の声を聞き、最も食材が光る瞬間を皿に宿す。決して過剰な化粧は施さない。
しっかりと古典的なフランス料理の技法をベースにしながら、柴田シェフのオリジナルにアレンジされた皿はどれもが色彩と香りが豊かだ。
ソースの複雑さというよりは素材で複雑さを出す。日本の四季を柴田シェフのフィルターを通して感じさせてくれる。ごちそうさまでした。
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