本日は約5ヶ月ぶりの「鮨 おばな」へ。
前回訪問時に尾花大将より「是非秋に食べさせたいものがあります」と仰ってたので予約を。
ネタのクオリティもそれを引き上げる技術も確かだが大将や女将さんの人柄もよく全てにおいて印象がいい「鮨 おばな」。
この度、約二時間ほどかけて都内より群馬県館林へ楽しみにして参りました。
館林駅東口から徒歩15分位。大通りをゆっくり散歩しながら腹を空かせる。
館林うどんのお店を左折するとモダンな白い建物が見えてくる。ここだ。
相変わらずカッコいい外観。
日曜の昼の12時半予約でオープンと同時に入店。
本日も一番お高いコースでお願いする。
生ビール
アサヒビール。
タラの白子
まずはタラの白子をポン酢でさっぱりと。いい酒の当て。
鱸
日本一の漁師 村公一さんの産直の鱸。
塩とスダチと山葵でいただく。
噛んでいくうちにとても上品な香りがしてくる。
鮑
こちらは鮑同士の煮た汁で味付けしたもの。
鮑を鮑で味付けされてるので味もとても濃い。
凄くシンプルなんだけどちゃんと仕事がされている。
鰹
藁で軽く燻してあるりトキガラシ醤油でいただく。
脂ものってはいるが燻すことによるスモーキーな香りと鰹本来の香りのバランスが素晴らしい。
やりすぎないこの香り付けの塩梅が絶妙。
牡丹海老
ここまで大きい牡丹海老も珍しくプリッとした食感とねっとり具合がたまらない。
なにより甘みがかなり強く自然の甘みに脱帽。
オクラの漬物
箸休めとして館林産のオクラ。
このお店で漬けているんだとか。
穴子の白焼き
軽く塩をふって焼いてある。
口内での身のほぐれ具合、パリッと香ばしい皮、脂ののりと甘み、どれも素晴らしい。
後で出てくる握りの穴子との違いも楽しみだ。
穴子の肝
コリコリっとして臭みは皆無。
醤油漬けにしているので酒のいい当て。
鰻の肝に似ている。
本日の鮪は塩釜産・巻き網漁
かなりの迫力だ。後で出てくるのが楽しみ。
蝦蛄
かなり立派な大きさの蝦蛄。
ホワホワで軽い。
もはや蟹を食べてる様な…甲殻類の旨味を存分に楽しむ。
女将さんから京都のお酒なので京焼のお猪口を用意してくれた。
雲丹パフェ
もはや定番のメニュー。
雲丹を裏ごししてシャリと混ぜ、さらに上に雲丹が乗った贅沢なパフェ。
牡蠣
牡蠣を高温で火入れをし、煮た汁と青海苔が下にひいてある。
プリッとしたいつもの牡蠣とは全く別物でねっとりとして濃厚。
生臭さも皆無。ひたすら牡蠣のクリーミ―な旨味が口内に広がる。
真鯛
竹岡。皮付き。この皮のおかげで驚くほど甘味を感じる。
特に〆たりはしてないそうで真鯛の皮から甘さが出たようだ。
握りはしっかりめに握られており今多い口内でホロリと崩れるといったものではなく咀嚼するごとに旨味が増していくもの。
個人的には柔い握りよりもこの様なしっかりとした握りが好きだ。
シャリは硬めに炊かれており前回よりも硬さは増しているのは咀嚼することによる味の広がりを重視されているからか。
赤酢のコクと酸味もバランスよくネタを一層活かす。
鰤
北海道余市の鰤。真鯛からのひたすら攻めの一貫。
見た目通り上がってくる香りもハンパじゃなく思わずニンマリ。
赤貝
閖上の赤貝。大将曰く「まだ少し身が薄目かな」とのこと。
いやいや、何を仰る。
赤貝特有の心地いい食感、強烈な香りが口内中に広がりをみせ質が高いことがわかる。
これでさらに身が厚くなったらどうなっちゃうのよ。
小肌
ジューシーで脂ののりもいい。
〆具合もまさにベスト。
赤身
塩釜産。舌触りよく身質のきめ細かを感じる。
ねっちりとした鮪の味も濃くまさにこの赤酢のシャリとの相性も抜群。
中トロ
甘味、香り、コクと全ての要素が完璧。
鮪の背
鮪の背中の筋を剥がした部分でトロトロのフワフワ。
非常にコクがあるがとても軽いのであっという間に口内でとろけていく。
大トロ
今度はガッツリスジがはいったもの。
しかしこのスジも噛んでいくと味があっていい。
決してストレスを感じさせない。
墨烏賊
塩とスダチで。歯切れのいいサクサクっとした食感がなんともいい。
墨烏賊はサイズで食感が異なる様だ。
春子鯛
めちゃくちゃ身質が柔らかい。
身は厚いもので、温度も上げ、〆方でこの柔らかさになるそうだ。
タラバガニの内子の軍艦
タラバガニの内子を醤油漬けにしたもの。
つまみでなら食べたことがあるがこうして軍艦として食べるのははじめてだ。
海苔とも相性がいい。
ミル貝
サクサクッと歯切れのいい食感、甘みも強く噛んでいくと香りもあがってくる。
食感、甘み、香りの三要素。
鰆の漬け
中にカラシが挟んである。
もう強烈に美味い。
漬けにすることで鰆の旨味がさらに引き立った。
こないだの「鮨 さかい」で食べた鰆は絶品だったがこの鰆も負けていない。
カイワレ大根
館林産のカイワレ大根を昆布締めにしたもの。サッパリしててちゃんとした一貫となっている。
しめ鯖の海苔巻き
鯖って味が強いのでそこに香りが強い海苔を巻く事でうまく調和している。
香りが強いもの同士だけど海苔と鯖は相性がいい。
蛤
噛んでいくと蛤、山葵、ツメと味の変化がいい。
そして最後にはシャリの酸。
イクラ
本日のお目当のイクラ 。
見た目から異質なオーラを放っている。
皮が薄くてグニュっと崩れるイクラを予想していたがこれが全くの予想外の味。
究極的にドロっと濃厚。
中でも極上の濃ゆい卵黄といった感じ。
こんなの食べたことがない。
前回の蛸も衝撃的だったが今回のイクラも間違いなく味蕾に刻まれた。
海老丼
タレは17年継ぎ足しで食べる前から海老の香りがしてくる海老エキスたっぷりのもの。
茶碗一杯いきたいくらい美味すぎる。
赤雲丹
大分の赤雲丹。
時期的には終わってるがいいものを分けてもらったそうだ。
さすが尾花さん。このお店の雲丹のクオリティは相変わらず高い。ハズレがない。
穴子
対馬。かなり高温だ。焼き目のパリパリ感と香ばしさ。
ツメ甘さとホワホワの食感全てが素晴らしい。本当に美味い。
玉子焼き
芝海老入りの江戸前の玉子焼き。
追加 イクラ
今度は冷静に味わってみる。
プチッとはじけるものではなく、ドロっと。
なんというか熟成されたようなコクもある。
本当に一体どうやって仕込んでるんだ…
唯一無二でここでしか食べることができないイクラだ。
味噌汁
色んな魚の骨を煮出しているので旨味も半端じゃない。
お菓子
女将さんが作ったモナカアイス。
砂糖は使わず日本酒の甘みだけなのが素晴らしい。
モナカの香りもとてもよく、これ販売したら絶対に売れる。
以上がいただいたメニュー。
仕事は基本的に素材の味を活かしてあげるもの。
素材の香りが強いものはあえて手を加えなかったりさらにひと手間仕事を施したりと緩急は見事。
名物のイクラなどこのお店でしか食べることができないというのは最大の魅力だろう。
さらに利き酒師の資格をもつ女将さんの洒落のきいた日本酒の出し方と説明など大将と女将さんのチームプレーは相変わらず。
(細かい仕事などは女将さんがしているそうだ)
店を出て「やっぱ美味かったなぁ」と長く余韻に浸れる素晴らしいお店。
かなり日本酒をいただいたのでお会計は約36000円。
そりゃ飲んじゃうよ!ごちそうさまでした!
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