本日は銀座のフレンチレストラン「エール」へ。
銀座5丁目にあるEXIT MELSAの8Fとちょっと意外な場所に位置する。
「エール」とは文字で表すと「Air」。
ご存知の通り「空気」という意味でフランス語の読みだと「エール」だそうだ。
店名は「空気のようにお客様に寄り添えるレストランを目指す」という事でつけられている。
本日は12,000円のディナーコースを。
テーマは六味。
(塩味、甘味、苦味、酸味、旨味、辛味)
「辛味」は味覚ではなく唯一、刺激だけど。
どの皿も必ず複合的な味の要素がありそれを一皿にまとめあげるバランスとセンスは流石。
フレンチの技法を使いながらも独創性に溢れ、食べ手の心を掴む料理の数々に心躍らない人はいないだろう。
以下、いただいた料理。
六味
それぞれ六味(塩味、甘味、苦味、酸味、旨味、辛味)のジュレにオレンジとコリアンダーの香りをつけた丹沢の湧き水のお湯を入れてくれる。
混ぜずに飲んでいくと少しづつジュレが溶け出していき味が変化していく。
一口目、二口目とだんだんと六味の輪郭がはっきりし出し、1つ1つを掴んでいく様な感じ。
こうして意識的に六味を味わう事ってなかなかないから面白い試みだ。
アミューズ
野菜、魚、お肉の料理をそれぞれ一口サイズで。
チリコンカルネ
米粉の焼き菓子、豆乳とヨーグルトを使ったソース、ヴィーガンを使ったアメリカの伝統料理チリコンカルネ。
サクサクの米粉にピリ辛のチリがとても合ってる。
鯖の文化干し
越田の鯖、上に魚の形をした大根のべったら漬け、ソースとして自家製煎り酒と和食的な一品。
鯖の脂は控えめ。煎り酒による酸、大根のフレッシュ感。
猪とピスタチオのパテ
ブラックカカオの焼き菓子、鳥取県産猪とピスタチオと合わせたパテ。
口に入れた瞬間は完全にスイーツ、咀嚼を重ねると野性味溢れる猪が姿を現わす。
スペシャラテ エール
アミューズの次はこの店のスペシャリテ。
米粉の焼き菓子の上に菊芋アイスが乗っておりパリッと崩すと器内に落下。
下のキャビア、甲殻類、タルタル、根菜のサラダと混ぜていただくかなり独創的な料理。
キャビアの塩味、菊芋アイスの柔らかな甘味、工作不意のコクと甘み、野菜のシャキシャキ感と多様な香り、温度、風味、食感が同時に混ざり合う。
写真撮るのクソムズイし食材が多く、一見味がとっ散らかりそうだけど食べ進めれば進めるほど理にかなっていく不思議な魅力がある。
前菜
焼いた徳島県産アオリイカ。は香り高く甘い。
アンチョビを使ったブールダンショアソースの酸味と生カラスミの塩味と旨味、さらにトレビスの苦味が見事なバランス。
パン
魚料理
宮城県産鮟鱇はむっちりとしてるが味わいとしてはアッサリ。
ソースは肉の出汁にレモンのコンフィの清涼感あるもの。
ホワイトマッシュルームの香りも爽やか。
付け合せに京都府京かんしょう。
肉料理
鹿肉の上にお米のフリット、フランス産の黒トリュフを。
ソースは卵黄、赤ワイン、コンデンスミルクの3種類で甘くて酸味のあるもの。
これだけソースと鹿肉が強いとトリュフはなくてもいいかもしれない。
アヴァンデセール
北海道産美瑛ミルク、金柑、ハーブの香りがするリキュールを使ったアイスパウダー「パスティス」。
肉の後ということもありとにかく柑橘の清涼感が爽やか。
デセール
リンゴと春菊のタルトタタン。
甘みのあるリンゴのフレッシュさ、春菊の苦味とバランス感覚に富む一皿。
お茶菓子 六味
六味で始まり六味で終わる。
今度はお菓子で表現。
左から和三盆の落雁(甘味)、塩檸檬のマドレーヌ(塩味)、蒸し饅頭(旨味)、抹茶のガナッシュ(苦味)、山椒のダックワーズ(辛味)、青蜜柑のゼリー寄せ(酸味)。
ペアリグでいただたお酒
ペアリグ込みでお会計は約23,600円。
どの皿にもちゃんと驚きがあり、だけど奇をてらい過ぎて味は二の次にはなっていない。
六味を意識した皿は一辺倒にならず常に刺激的でそのバランス感覚に驚かされる。
トータル食べ終わった後のフレンチならではのどっしり感はなく綺麗に終われる辺りデートにも良さそうだ。
ごちそうさまでした!
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