本日は銀座「鮨 たかはし」から24歳という若さで独立した「鮨 崚」へ。
オーナーもおらず完全独立だそうで本当に一昔前の鮨屋だと考えられない年齢である。
インスタなどのSNSのおかげで昔より色んな事を皆んなが学べる様になった現代においてこの状況を個人的にはかなり好意的にみてるんだけどこの先鮨屋はどうなってしまうんだろうか。
オープンは2020年7月。
場所は銀座8丁目。築地市場駅から徒歩5分ほど。
この場所はもともと2020年に閉店した「すし佐竹」があったところ。
時間は一斉スタートではなくバラバラなのが個人的に嬉しい。
聞くと「一斉スタートは作業になっちゃうので面白くない」と言う。
客の状況を逐一把握しながら握っていく。
基本的な事だけど25歳の大将がそれを言うからハッとさせられる。
おまかせコースは税込22,000円。
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以下、いただいた料理。
岩モズク/ジュンサイ/はぐらうり/マイクロトマト/赤雲丹
雲丹は由良の赤雲丹。
トロリとして粘りのある食感、酸味の中に赤雲丹のコクと甘味がいいアクセントに。
夏らしい爽やかな一皿。
鮑
鴨川の鮑。十分香りと味の濃いムッチリとした鮑に肝ソース(自家製マヨネーズ)を付けて。
肝ソースは和風のマヨネーズの様で酸味とコク深いソース。このソースが美味い。
残ったソースにシャリを入れてくれた。
旨味の強いソースの中でも酸味のあるシャリの存在感が際立つ。
マハタの唐揚げ
鮨屋としては珍しい揚げ物。
自家製タルタルソースに中濃ソースと出汁を半々で割ったものでいただいた。
サクッと揚げ加減は絶妙。中はホクホクで水分は保持されたまま。
タルタルとソースがうまく旨味を引き出してます。
鰹
静岡の鰹、赤パプリカ、茗荷、赤キャベツの芽。
シャキッとした薬味に鰹の鉄感との相性良。
毛蟹
一度ほぐして味噌と和え詰め直したもの。
蟹本来の甘みを全面に推した一品で余計な物は足さない。これ、ずっと食えます。
アカムツご飯
ノドグロ、シャリ、餡をベースとし、季節で変えていくスペシャリテ。
本日は枝豆と焼き茄子の餡。
枝豆の香り、生姜が凄く活きてます。
あるようでなかった組合せ。
ホシガレイ
昆布〆による程よい脱水、残るは風韻を漂わせた香り。
酢は赤、黒、白の3種類。
熟成をかけていない赤酢、米酢による酸の主張はやや強めだが黒酢がその角を消す。
サイズはつまみの数に合わせてるのか気持ち軽やか。
新烏賊
薄皮を剥ぎ、新烏賊特有の柔らかさと綺麗な食感、シャリの温度による烏賊の香りが印象的。
石垣貝
身は厚く食感は爽快。包丁入れずとも柔らかいです。甘みもあって後味も爽やか。
北寄貝
こちらは細かく包丁を入れシャリ馴染みよく。
鯵
イクラを煮詰めて裏ごしたソースを上からかけた特徴的な一貫。
鰺に卵黄の様なまろやかさがプラスされ、ネギと生姜を合わせた薬味もキチンと相乗効果に。
中トロ湯霜漬け
鮪はやま幸から。
ここにきて古典的な湯霜造りの握りで旨味をギュッと閉じ込める。
漬ける醤油は甘め。
中トロ
こちらは通常の中トロで舌触りの良さを再確認。さっきよりもさらに包丁を入れ柔らかくし、シャリとの一体感をはかる。脂と旨味先行型。
赤身の漬け
肉厚なカットで漬け時間は長めに。こちらは切り込みなしのきめ細やかな身質。
車海老
こちらでは味が一定の養殖を使用。
プリっと弾力ある食感、茹でにより引き出された甘み、香りは理想的な車海老。
シャリがしっかりと車海老を受け止める。
ムラサキウニ
余市の塩水のムラサキウニをかなり盛ってくれました。
これだけ盛られると口いっぱいに雲丹のクリアな旨味がガツンと。
穴子
江戸前。きめ細かさで言えばもうちょいか。
それでもツメのコクはいい感じです。
玉子焼き
芝海老入り。ねっとりときめ細やか。
味噌汁
鰹出汁がとても爽やか。
梨
爽やかに直物でコースを〆る。
お会計は約25,000円。
どうしても大将の年齢に注目がいきがちだが遊び心があるつまみに正統派の握りと「鮨たかはし」でアルバイトから始めて数年でここまで土台がしっかりとした料理をいただけるとはセンスの良さを感じた。
だが料理とは作り手の内面を現すもの。
今後、佐々木大将が30代、40代、50代と年齢を重ね、知見・経験が増えることによる料理の変化は楽しみの一つ。ごちそうさまでした!
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