広尾のフレンチ「Ode」へ。
オープンは2017年9月。
2022年度のミシュランでも一つ星獲得。
場所は広尾駅より徒歩5分ほどのビルの2階。
店名の「Ode」とは英語とフランス語で「抒情詩」を意味する。
日本が生み出す素材のすばらしさ、器や箸、竹細工など伝統的な手しごとの美しさ、そしてフランス料理の伝統へのリスペクト。
生井祐介シェフの想いをテーブルに、そして店の隅々に散りばめ、まるでコラージュのように組み合わせることで丁寧にストーリー(詩)を紡ぐ。
店内はシェフが好きな色のグレーに統一されておりモダン。今回は個室にて。
【季節の食材をつかった8皿前後のお料理】8,000円にワインペアリングをつけて。
以下、いただいた料理。
ドラ○ンボール
オマール海老のムースをカカオバターでコーティングし、名作のアイテムに似せたもの。
カカオバターは滑らかで口溶け良く、海老の旨味が詰まったビスクに、オレンジのリキュール、ハーブなどを漬け込んだこの一品に対してのペアリングが口内調理を楽しめる。
野菜のタコス仕立て
根セロリのスライスを少し焦がし香ばしく仕上げ、コールラビ、豆のペーストなどでタコスをイメージして作られたアミューズ。
まろやかさとほろ苦さ、視覚と口内現象とのギャップに思わずニンマリ。
タルト
バナナのみで仕上げたタルト生地、福井のサツマイモ「とみつ金時」、バター、五香粉。
すっきりとしてナチュラルな甘みはスイートポテトを感じさせそこに五香粉が素敵なアクセントに。
グレー 2022
店のグレーと同期したOdeのスペシャリテ。
板状のものは鰯の頭や骨、アンチョビなどを炙って作られたメレンゲ。
そのメレンゲを割ると中に尾崎牛、アボカド、鰯の身が入っている。
味付けはバルサミコ。
メレンゲを崩しソースがわりにして一気に食べるとその味のふくらみ方に驚かされる。
春のガレット
左は菜の花。中にもふんだんに。
他にはシラス、卵黄など。
上にはやや酸味のあるトマトのソース、菜の花のほろ苦さ、まろやかな卵黄、シラスがガレット共に渾然一体となる。
リゾット
濃厚リゾットの上に蕗の薹のパウダーをつけた「きたかむい」というじゃが芋を乗せて。
リゾットは硬めで蕗の薹のほろ苦さ、ジャガイモの甘みで食わせてくれる。
その名の通り福井の豚で吟醸酒の酒粕を餌に混ぜて育てられた豚。
みかんのジュースをベースにした酸味のあるソースをかけて。
付け合わせはニンジンのピクルス、蛍烏賊のペースト、オゼイユのソース、イエローマスタード。
肉質はナイフよりも咀嚼した時の方が柔らかく感じ、脂もジューシーでクドさがなく其々の酸と調和する。
その上から洋梨とハーブの一種のローリエのシロップをかけるとまるで雪解けの様に溶けていく。
お茶菓子
リュウイ、ハッサク、ハーブのディルのジュレ、緑茶と日本茶の苦味のあるソースを。
酸味、甘味、苦味でスッキリとコースを終える。
本日のお酒
生井シェフと
お会計は二人で合計約36,000円。
(一人ワインペアリングをつけて)
どの皿も説明や実際に食べるまで味の想像がつかない皿ばかり。
まずは目で楽しませ、さらに数種類の食材の味の膨らみでまた楽しませるレストランの醍醐味を存分に堪能させてもらえた。
空間、料理、器、全てが一つの詩の様に同期する。そんな特別な時間を過ごせました。
ごちそうさまでした。
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