【飯田橋】すし ふくづか「計算された温度管理と細部までこだわりぬかれた膨大な仕事量による圧巻の握り」

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寿司(鮨)

本日は神楽坂の「すし ふくづか」へ。

信頼のおける鮨好き達からも評判の良いお店。

場所は飯田橋駅より徒歩8分の路地奥。

店内はカウンター6席のみとかなりコンパクトな作り。

一般的な鮨屋に比べるとやや薄暗く、目の前に置かれたお洒落ライトで料理を照らすなかなか珍しいムーディなお店です。

なんだか2軒目に連れてこられた隠れ家のBARの様。

福塚大将の握りは何となく食べてる人には気づけないほど、非常に細かく、巧みに仕事を仕掛けてある。

3種類用意されたシャリは温度変化や握りに強弱をつけ、コースに緩急をつける。使う山葵も3種類(この日は長野安曇野、静岡天城、東京奥多摩)。

さらに本手返し、小手返し、立て返しと握り方を変えて提供しこれでもかと言う程細かく刺激してくれる。

あえて自ら「この握りの温度は何度です」みたいな野暮な説明はしない。

気付けるか気付かないかはもはや食べ手の技量にかかっている。だからこちらも背筋を正される。

鮨をある程度食べてきた人達にはビンビンこだわりが伝わる。だから鮨lover達がこの店を評価するのがよくわかる。

以下、いただいた料理。

まずは切りたての赤酢のシャリと鮪を海苔と共に。

透明感ある鮪の脂、酸味のあるシャリ、鮮烈な海苔の香りと秀抜な調和。

そしてここからお預けタイムに。

店主福塚さんは50分間ずっと鮪を切る作業に入り、我々はただそれを見てるだけしかできなかったんだ…

真鯛

明石。一枚目と二枚目厚さ変えてますよね?

おかげで二枚目よりも三枚目と食べる毎に味わいを感じられる。

コリっとした〆たての食感、香りと美味しい真鯛です。

鮪3種食べ比べ

定置の腹上、巻き網の腹上、巻き網の背。

身質から香り、鉄っぽさまで一枚毎に変わるから鮪って面白いですね。

産地当てとか全くわかんないで味の違いを堪能する程度で楽しみました。

漬け鮪の山かけ

はがしの漬けを山芋かけに。

滑らかな鮪の食感と力強い山芋。

特に磯の香りが華やか。

牡丹海老

なかなかお目にかかれないサイズである。

この日の豊洲で最も大きいもの。

瑞々しくもあり濃度MAXなねっとり感に感動級の甘さ。これは握りにしなくても完成されてます。

海老頭

味噌と身入りでぶちゅっと天然の甘味成分口内爆発。

蝦夷鮑

鮑だけで4時間蒸したもの。舌触り素晴らしくふにゅふにゅ。香りも抜群。

生の蝦蛄

醤油漬けの生の蝦蛄。

うずらの卵は醬油漬けにして燻製に。

燻香と蕩ける蝦蛄の香りが絡み合う、絡み付く。

ガリ

砂糖使用、砂糖不使用、リンゴのガリとこだわりの3種類。

はい、本日の鮪6種類

槍烏賊

江戸前仕事の煮る、〆る、漬けるを感じてもらう為にまずは握りの一貫目は槍烏賊から。

50°の槍烏賊は同じく50°のシャリと共に蕩け、一体感がある。香りと旨味の余韻だけを残して消えていく。旨いなぁ。

時期によっては煮烏賊、蛸などを提供。

春子鯛

フワフワな身は特に仕事が活きてる柔らかさ。

黄身酢朧との一体感も素晴らしい。

直前に大葉で巻いて香り付け。所謂大場〆。

シャリの温度は一気に低くなった。

鮎は肝を入れ魅力の一つである苦みも味となる。

血合ぎし

フレッシュさ残る身質の中にも味の濃さと香りの存在感を感じる血合いぎしから鮪6貫スタート。

大トロ

腹上大トロ。シャリがさらに急激に温かくなりおかげで鮪の麗しき香りが主張する。

これ一貫ごとにシャリの温度変えてるんだ。

赤身

かと思えば今度は急激にシャリの温度が下がるわけです。自然に冷めていってるのではなく、意図的に冷ましたシャリである。

こちらは氷見の鮪だが非常に夏らしい酸味が綺麗で細やかな包丁によるシャリとの一体感とこの温度感でより鉄っぽさを堪能できるように細工してある。

血合いぎし、大トロ、赤身の流れだけでもかなりの仕事量なのがわかる。

中トロ

腹トロ

はがし

まさに香りの余韻の定置。定置っぽいと表現して一体どれほどの人がわかるのかは置いといて鮪の香りの持続時間が素晴らしく長い。

とり貝

鮪だけではございません。とり貝も香りが鼻腔内で弾けるように広がりをみせる。

身質は滑らかです。脂の存在感もしっかりと。

桃の甘露煮

太刀魚

ギリギリを狙いホワホワで蕩ける口溶け感。

高温のシャリと共に旨味の余韻だけ残し消えていく。

赤貝

大阪湾。甘みはないが香り華やかなのは赤身の出汁に1時間、2時間漬けておいたから。

雲丹

シャリはまた一気に下がる。

煮帆立

鮪出汁の蕎麦

鮪の骨出汁からとった出汁蕎麦。

綺麗に澄んでます。

玉子焼き

三層からなり食感がそれぞれ異なる玉子焼き。一番上はエルフランスを使用。

精神は江戸前だけど見せ方や構成がかなり練られており、先述した様にかなり細かい仕掛けを施したコースとなっている。

普段からこんなにやるの?と言った位凝られているので次に握りが出てくるまで楽しみで仕方がなかった。

ペアリングも途中途中のワインがバッチリとハマった瞬間があったりトータル楽しめた。

鮨loverが通うだけある店です。

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